野村アセットマネジメントが運用する「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」の純資産総額(残高)が3000億円を割り込んだ。9日時点の残高は2950億円。残高が3000億円を下回るのは2024年5月15日以来、約11カ月ぶり。
同ファンドは世界の株式のうち、半導体関連銘柄に投資する。生成AI(人工知能)向け半導体の需要が拡大するとの期待から投資銘柄の株価上昇と資金流入が続き、24年7月11日には最大で4932億円まで残高が膨らんだ。
一方、中国企業による低コストで高性能な生成AIモデルの開発やトランプ米政権の関税政策などから半導体需要や世界経済への先行き不透明感が強まり、足元では運用が悪化している。9日時点の年初来リターンはマイナス33.4%。月間ベースで24年11月から資金流出に転じ、年初からは推計63億円が流出している。運用不振と資金流出により、残高は24年末時点の4496億円から1500億円超減った。
25年2月末時点の月次リポートによると、投資先の約7割を米国が占める。組み入れ銘柄数は24で、組み入れ1位は画像処理半導体(GPU)大手のエヌビディア、2位は通信機器向け半導体などを手掛けるブロードコム、3位は半導体受注生産大手の台湾積体電路製造(TSMC)だった。
◇「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」のサイト(野村アセットマネジメント)