投機筋のポジションが集中している金融先物商品が浮かび上がってきた。10月23日に米商品先物取引委員会(CFTC)が公表した20日時点の建玉報告でコーン先物と銅先物の買い建玉が引き続き増加傾向を示した。価格そのものも右肩上がりにある。投機筋の買いが相場上昇をけん引している姿が鮮明と言えそう。
コーン先物の買い(ロング)建玉の積み上げは前週からさらに加速した。差し引きの買い越し幅は32.9万枚となり、2018年6月以来およそ2年4か月ぶりの水準に達した。
※投機筋のコーン先物の買い越し幅は2018年6月以来の規模に
銅先物はコーンほどではないがロングポジションを引き続き増やしている。
対象的に最近までロングの積み上げを継続してきた大豆先物では一服感が出始めた。ただ、先物価格は上値を試す展開が続いた。
動きが止まったのは、これまで過去最高水準にまで膨らませてきた米30年物国債先物の売りも同じ。投機筋のポジションに大きな変化は見られないが、米超長期債の利回りはじりじりと切り上がっている。相場動向に対するポジションとしては利益も徐々に出ていそうだ。
また米株関連の先物でも動きが止まっている。最近大幅に売り(ショート)ポジションを手仕舞ったE-MINI NASDAQ100先物も一転して様子見のようだ。同S&P500指数先物やVIX指数先物でも大きな変化は確認されていない。
通貨先物では引き続きドル売りポジションを縮小させている一方、依然として日本円については無関心を決め込んでいる様子だ。
ショートポジションが少し膨らみ始めていた日経平均先物(円建て)だったが、早くも買戻しに動いている。