国内金利の先高観が急速に強くなっている。QUICKが4日に発表した2022年12月のQUICK月次調査<債券>で、債券市場の専門家が予想する国内金利の見通しが大幅に上昇した。長期金利の指標となる新発10年物国債利回りの見通し平均は6カ月後(23年6月末)が0.559%と、22年11月調査時点の6カ月後予想である0.272%から大幅に水準を切り上げた。
10年物国債利回りの見通し平均
日銀は22年12月に開いた金融政策決定会合で、長期金利の許容変動幅を拡大した。金利上昇圧力の強い現状では実質的な利上げとなり、5日の10年物国債入札では表面利率と最高落札利回りが早くも新しい上限の0.5%に達した。政策修正をどのように評価するか聞いたところ、「大いに評価できる」「評価できる」が合わせて45%と肯定派が多数を占めた。回答者からは「(日銀の)コミュニケーションの問題はあるにせよ、イールドカーブの歪みを是正する一歩として歓迎すべきこと」(投信投資顧問)との声があった。
日銀が今後さらなる金融政策変更に踏み込むとの思惑も金利の先高観につながっている。日銀が次に金融政策を修正する時期は「4〜6月期」との回答が33%と最も多く、8割近くが23年中にさらなる政策修正があると予想していることが分かった。さらに、次の日銀の次の手については「マイナス金利解除」と見込む専門家が最も多く、43%にのぼった。
調査は22年12月27〜29日にかけて実施し、債券市場関係者116人が回答した。