【日経QUICKニュース(NQN)】日本格付研究所(JCR)は10日、日本製鉄(5401)の長期発行体格付けを「ダブルAマイナス」から「ダブルA」に1段階引き上げたと発表した。格付け見通しは「安定的」とした。国内製鉄事業の採算が改善しているとの見方を反映した。生産体制の最適化で固定費が削減しているほか、海外事業や鉄グループ会社の業績も堅調だと指摘。継続的な資産圧縮や好業績を背景に、財務も改善基調にあるとの見方を示した。
■神戸鋼も「シングルA」に格上げ
また神戸製鋼所(5406)の長期発行体格付けを「シングルAマイナス」から「シングルA」に1段階引き上げた。格付け見通しは「安定的」とした。電力事業で発電所の本格稼働に伴い利益水準が高まっているほか、機械系事業の受注も順調だと指摘。素材系事業では鉄鋼の原料と製品価格との差であるメタルスプレッドの改善などがみられるとの見方を示した。収益力が向上し、安定度も高まっていることを反映した。