【日経QUICKニュース(NQN)】格付投資情報センター(R&I)は19日、日本製鉄(5401)の発行体格付けを「シングルAプラス」で維持すると発表した。不況抵抗力が強まり、中長期経営計画で示す目標以上の事業利益を外部環境に左右されずに確保できる見通しがたったと指摘した。18日に日本製鉄は米鉄鋼大手USスチールを買収すると発表した。買収額は約2兆円。銀行借り入れが見込まれることから純有利子負債は大きく膨らみ財務バランスも一定程度悪化すると指摘したものの、収益力の向上を踏まえると中期的には財務バランスの改善が見込まれるとみている。格付け見通しは「ポジティブ」で据え置いた。
■JFEは「シングルAプラス」に格上げ
また同センターはJFEホールディングス(5411)の発行体格付けを「シングルA」から「シングルAプラス」に1段階引き上げた。格付け見通しは「ポジティブ」から「安定的」に変更した。構造改革によって需給や市況など外部環境に影響を受けにくい収益構造への転換が進み、2024年度までの事業運営の指針となる中期計画で掲げる事業利益(3200億円)を安定して確保できる構造になりつつあると指摘。収益力の向上や財務基盤の改善を反映した。