QUICK資産運用研究所は2024年11月15~30日、全国の18~74歳を対象に「個人の資産形成に関する意識調査」を実施した。同調査は今回で9回目。集計結果はQUICKサービスを通じて順次配信していく。 |
■5割超は2ケタ台の運用益
新NISA(少額投資非課税制度)の利用者(1571人)に調査時点の運用成績を聞いたところ、70.7%が運用益(含み益などを含む)を得ていることがわかった。5割超は2ケタ台のプラスのリターンを上げている。2024年は8月に日本株の歴史的な乱高下があったものの、先進国を中心に世界の主要な株価指数が年初と比べて上昇し、外国為替相場も円安傾向だったことが新NISA1年目の好パフォーマンスにつながったとみられる。
投資金額に対する運用損益別に詳しく見ると、「10%以上30%未満」が32.4%で最も多い。「50%以上」の高いリターンを得た人も5.5%いた。一方、「ほぼゼロ」は5.5%、運用損となった人は合計で6.0%にとどまった。「回答しない・わからない」は17.7%だった。
■投資商品、成長投資枠では「国内株」が人気
新NISAでの投資商品を複数回答で聞いたところ、成長投資枠の利用者(1047人)に1番人気だったのは「国内の個別株式」(54.8%)。2位と3位はインデックス型(指数連動型)の投資信託で、「全世界株式型」(30.6%)と「先進国株式型」(19.5%)が続いた。
一方、個別株式などには投資できないつみたて投資枠(利用者1165人)では、海外や国内の株式を投資対象とするインデックス型投信が上位を占めた。1位は「全世界株式型」(46.3%)、2位が「先進国株式型」(30.5%)、3位が「国内株式型」(27.8%)の順番だった。成長投資枠、つみたて投資枠とも相対的にコストが高いアクティブ型(積極運用型)の人気は低かった。
■選択理由は「値上がり期待」「コストの安さ」
投資商品を選んだ理由について複数回答で聞いたところ、成長投資枠では「値上がりが期待できそうだから」(40.4%)が最多で、「運用コストが安いから」(37.6%)、「配当金や分配金を受け取りたいから」(26.1%)が続いた。
つみたて投資枠では「運用コストが安いから」が42.6%で首位。2位は「値上がりが期待できそうだから」(33.7%)、3位は「リスクを抑えた運用ができそうだから」(27.0%)だった。
<調査概要> 調査期間 2024年11月15日(金)~30日(土) 調査対象 全国の18~74歳の個人 国勢調査の結果に準じて性別×年代別×地域別(8区分)の構成比率を原則割り付け 回答者数 5075人 調査方法 インターネット調査 調査会社 日経リサーチ 【新NISA利用の有無】「あなたは新NISAを利用していますか(本人名義のみ)」との質問に対する回答で区分 ・新NISA利用者 :「成長投資枠のみ利用している」「つみたて投資枠のみ利用している」「成長投資枠・つみたて投資枠ともに利用している」のいずれかを選択 ・新NISA未利用者 :「新NISA口座を開設したが、利用していない」「新NISA口座を開設していない」のいずれかを選択 ・不明 :「わからない」を選択 |
=⑥に続く
※「個人の資産形成に関する意識調査」を引用する場合、出所を「QUICK資産運用研究所」と明示してください。
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日経電子版(2024/12/25):新NISAの利用者、7割超が運用益確保(QUICK資産運用研究所調査)