「最近は、まんだらけの常連さんに株主になりたいという人が増えてきているんですよ。」と語るのは、辻中雄二郎副社長。まんだらけは2016年5月に株主優待に「まんだらけ優待券」を追加導入し、内容を拡充した。それにより、2015年9月期に1,928人だった株主は、2016年9月期に4,567人となり、直近の2017年9月期には7,461人と大幅に増加した。
株主優待を拡充した目的について、「上場企業である以上、東証1部をめざしたいから」と川代浩志取締役経理部長は言う。まんだらけは、2000年7月に東証マザーズに上場し、2015年2月に東証2部に所属部変更した。東証1部に移行するには、株主数が少ない。そこで、株主還元で魅力アップすることにした。還元方法をめぐり、配当か株主優待かで議論となったが、「まんだらけファンを大切にした還元は、株主優待のほうが適していると判断をした」(川代取締役)。
まんだらけは、株主優待を拡充する一方で、配当は最低水準の1円だ。これについて、「世間は、まんだらけに対して変なことをする会社として期待しているところがある。だから、配当は1円を維持することにこだわっている」(辻中副社長)という。
まんだらけファンを株主化していった結果、株主の大半が個人投資家となっている。このことで、株主総会にも変化が出てきている。例年70~80人の株主の出席があるという。「3年ほど前までは配当性向を上げてほしいという声が多かった。最近は、業績アップに向けた将来の展望(どのような商材を取り扱っていく予定か等)を聞く株主が増えた」(川代取締役)。
まんだらけは、上場以来、増資を行っていない。そのため、株式の流動性が低い点が課題となっている。また、店舗網は国内のみだが、「売上の3割は海外のお客さんが占めている。ネットオークションを通じ、活発な取引がある」(辻中副社長)。日本のサブカルチャーを国内にとどまらず、いかに広げていくか注目したい。
(1)当社発行の隔月刊誌「まんだらけZENBU」の贈呈
3月末日及び9月末日現在の株主名簿に記載または記録された、1単元(100株)以上保有の株主に対し、3月末日現在の株主には3月以降9月までの刊行分を、9月末日現在の株主には9月以降翌年3月までの刊行分を贈呈。
※株主のうち希望者のみへの贈呈へ変更。
(2)自社発行書籍「宇宙全史」に関わる限定小冊子販売
パンフレットの提供
3月末日及び9月末日現在の株主名簿に記載または記録された、1単元(100株)以上保有の株主に対し、3月末日現在の株主には3月以降9月までの案内を、9月末日現在の株主には9月以降翌年3月までの案内を贈呈。
なお、限定情報小冊子は不定期発行であり、必ずしも各四半期ごとに新たな小冊子の発行があるものではなく、また現在は新規の申し込み受付を停止している。
(3)「まんだらけ株主優待券」の贈呈
株式の保有数及び保有期間に応じて以下のとおり、全国の当社の店舗において商品の購入に利用できる優待券を贈呈。
[保有株式数\保有期間] [1年未満] [1年以上]
100株以上 500株未満 2,000円分 5,000円分
500株以上1,000株未満 4,000円分 10,000円分
1,000株以上5,000株未満 7,000円分 20,000円分
5,000株以上 10,000円分 50,000円分
※毎年3月31日及び9月30日現在の株主名簿に、同一の株主番号で3回以上連続して記載または記録された場合に、継続保有期間1年以上となる。
※利用期間は毎年1月1日から12月31日までの1年間を有効期間とする。
※贈呈時期は毎年12月開催予定の定時株主総会終了後とする。
漫画・アニメ関連アイテムを中心としたコレクターズショップ「まんだらけ」を経営する。国内のまんがの中古書籍のほか、まんがやアニメーションに関する商品、玩具、同人誌、あらゆるコレクターアイテム、カルチャーに関わる中古品の仕入・販売を行う。また、古書漫画目録誌「まんだらけZENBU」などを自社で発行する。
Web通信販売によって販路を大きく拡大。とくに通販の主力「まんだらけSAHRA(サーラ)」の施設整備により迅速な出荷体制を確立したことで、国内外の幅広い顧客からの注文を受けて販売好調。訪日外国人旅行者の来店も売上高に貢献。玩具の販売実績が高い。大都市圏を中心に各都府県の主要商業地域への出店を計画、推進。種類、数量とも増加を続けるアンティーク商品の管理に欠かせぬPOSシステムの強化が最重要の経営課題。
1980年、中野ブロードウェイ内にまんが古書店「まんだらけ」をオープン。87年、株式会社まんだらけを設立。91年、まんが古書のカタログ誌を発刊。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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