日本経済の特徴は、世界最大の債権国で、加工型製造業のウエートが大きいこと
日本経済の大きな特徴は、世界最大の債権国(資本輸出国)でありながら、産業レベルでは、機械、電機・精密、自動車などグローバルに展開する加工型製造業のウエートが大きいこと。このため、世界経済が順調に拡大する局面では、円安の進行(資本輸出が拡大)と相まって、加工型製造業の業績が伸長し、企業業績全体が押し上げられる。これを評価した海外の投資家の日本株買いが拡大することで、日本株は上昇基調を持続するパターンとなる。ただ、足元の状況は、米国トランプ政権の政策展開(好況時の大型景気対策発動、保護主義的な通商政策の発動)の影響、円高の進行によって、逆風が強まった格好だ。
中間選挙に向けたトランプ政権の対応が焦点
足元の主要国の経済指標をみると、概ね堅調であり、世界経済は依然拡大基調にあるといえる。「米中貿易紛争」も両国が落としどころを探ることで全面対決に至らず、内外主要企業の堅調な業績も寄与して、株式相場は徐々に落ち着きを回復し、再び上昇基調を取り戻すと企業価値研究所では見込んでいる。国内企業の経営体質は格段に強化されており、株主還元への意識向上も中長期的に内外投資家の評価を高めよう。ただ、中間選挙に向け、トランプ政権の対応は「予測不能」の部分もあり、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策の方向性なども見据えつつ、株式相場は当面、神経質な展開を余儀なくされよう。QUICKの調査によれば、投資家の関心は目下、「景気・企業業績」、「政治・外交」に集中している。
執筆:QUICK企業価値研究所 チーフストラテジスト 堀内敏成
(提供:QUICK企業価値研究所)
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