24日の米株式市場で、S&Pの資本財セレクト・セクター指数に連動するインダストリアル・セレクト・セクターSPDRファンド(資本財ETF、XLI)から大規模な資金が流出した。QUICK FactSet Workstationによると6億8355万ドル(約743億円)の資金流出となり、2014年10月7日(32億2253万ドル)以来3年半ぶりの大規模な流出額を記録した。
インダストリアル・セレクト・セクターSPDRファンドのフロー(QUICK FactSet Workstation)
この日の米国上場ETFの流出額ランキングでナスダック100指数と連動するパワー・シェアーズQQQ(7億3669万ドル)に次いで2位となった。
米市場でXLIは大幅に4日続落し、前日比2.79%安の73.40ドルで終えた。組入比率2位のスリーエム(3M)が今期の1株当たり利益(EPS)予想を引き下げ、7%近く下落したのが響いた。3Mの急落を受け、組み入れ比率トップのボーイングが2.88%安と連れ安。同7位の米建機大手キャタピラーが決算発表後の説明会でCFOから2018年1~3月期(1Q)がピークだったとの発言が出て6.20%安となったことも影響した。主力の資本財銘柄の下げを受け、ETFの解約売りが出て需給悪化につながったとみられる。(片平正二)
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