QUICKがまとめた6月の月次調査<株式>によると、株式市場関係者は持ち合い株の削減などコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)の改定が株式市場の活性化に効果をもたらすと概ね期待を寄せていることが分かった。調査期間は6月5~7日。証券会社および機関投資家の株式担当者154人が回答した。
※QUICKでは株式や債券、外為部門などの市場関係者を対象に毎月、足元の景気や相場動向についてアンケートを実施。結果を「QUICK月次調査」として各部門ごとに公表している。
東京証券取引所は1日、コーポレートガバナンス・コードの改定版を発表した。改定は株式市場の活性化に効果があるのか、株式の市場関係者に聞いた。取引先などと株式を持ち合う政策保有株の縮減については、「効果がある」が20%で「やや効果がある」の56%を合わせると7割超に達し、期待が高かった。ただ、「効果なし」の回答も20%あり、懐疑的にみている側面も浮き彫りになった。
政策保有株の縮減を阻む最大の要因については、「取引関係への影響」が34%と最も多く、次いで「経営者の保身や実質的な買収防衛策」が22%、「日本的経営慣行」が21%と続いた。
改訂を受けてユニー・ファミリーマートホールディングス(8028)や、イオン(8267)など2月期決算企業の一部には持ち合い株を削減する動きもみられる。
また、取締役会の実効性を高めるには何が最も必要かを聞いたところ、「取締役・取締役会評価の厳格化」(40%)との指摘が目立った。「社外取締役に占める企業経営経験者の比率を高める」が18%、「社外取締役の比率を高める」が13%と続いた一方、「女性や外国人など取締役の多様化」を挙げる声は9%にとどまった。
※「QUICK月次調査<株式>」はヒストリカルデータも含めて、QUICKの情報端末からダウンロードできます。