QUICKコメントチーム=根岸てるみ、片平正二
米国で年末商戦がいよいよ始まる。全米小売協会(NRF)によると、今年の年末商戦の売上高は前年同期比3.8~4.2%増が見込まれている。年末商戦といえば小売りが注目されがちだが、ネット通販の拡大で物流も大きな恩恵を受けている。
28日が感謝祭の祝日で、翌日29日の「ブラックフライデー(黒字の金曜日)」からクリスマス頃までが年末商戦になる。最近はネット通販の拡大で小売業に限らず物流業にとっても稼ぎ時といえる。米CNBCテレビに出演した物流大手UPSのデービッド・アブニー最高経営責任者(CEO)は、今年の年末商戦の貨物輸送量は前年同期比5%増の1日当たり平均3200万個を見込んでいると話した。これは通常シーズン(1日当たり平均2000万個)の6割増だという。
アマゾン・ドット・コムが自前配送に徐々に切り替えるなど、物流業者を取り巻く事業環境は厳しさを増しているほか、米国が12月15日に対中追加関税を発動する可能性がある。しかし、発動が見送られれば、株式市場で物流や出遅れ感のある小売の一角といった年末商戦関連の銘柄が改めてクローズアップされそうだ。
■UPS
米国ならではだろうが、投資マネーはこんなところにも向かっている。
27日の株式市場では、大麻関連銘柄を投資対象とするETFMGオルタナティブ・ハーベストETFが4営業日ぶりに反発し、1.70%高の17.27ドルで終えた。マリファナ関連の情報サイト「マリファナ・ビジネス・デイリー」が26日に「米感謝祭前の水曜日(グリーンウェンズデー)と米感謝後のブラックフライデーにマリファナの売り上げが増える可能性がある」と伝えた。2018年のグリーンウェンズデーのマリファナの売り上げはこの年の水曜日の平均より63%増加したといい、「消費者がクリスマスのお祝いの一環として、マリファナ製品をギフトとして購入する傾向がある」という。
■ETFMGオルタナティブ・ハーベストETF
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