スクウェア・エニックスが誇る人気ゲーム「ドランゴンクエスト」。そのシリーズ最新版となるスマホゲーム「ドラゴンクエストタクト(ドラクエタクト)」が7月16日に配信開始となる。事前登録段階から話題となっており、リリース後にトップセールス上位に食い込む存在になりうる可能性を秘めている。同ゲームをスクエニと共同開発するAiming(3911)の業績寄与が期待されそうだ。
■リターンも大きいの共同開発

Aimingは、スマホ向けオンラインゲームを企画・開発・運営を手がけ、ネットワークを通じ複数人で遊ぶMMO(大規模多人数同時接続型)ジャンルを得意とする。2013年にマーベラスと協業してリリースした「剣と魔法のログレス いにしえの女神」で大ヒットを記録した経緯がある。今回のドラクエタクトは、スクエニが企画・制作、Aimingは開発を担当する共同開発案件。受託の場合は、定額の開発費と運営費、売上に連動するインセンティブで構成するが、共同案件では出資比率などに応じて収益を受け取ることが多いとされ、受託に比べてリスクは高いものの、ヒットした場合のリターンが大きいとみられる。

■好意的な評価
「ドラクエタクト」は、スライムやベビーパンサーなどドラクエシリーズでおなじみのモンスターをユーザーが指揮(タクト)してマス目状のマップ内で操作するタクティカルRPG。自分とコンピュータあるいは対戦相手の手番が交互に入れ替わるターン制となっており、マス目状のマップ内ではモンスターごとの「移動力」や技の「射程」などの戦略的要素を考えながら戦う必要がある。ゲームに慣れていない人や操作する時間の余裕があまりない人でも自動で行動を行うオート機能が搭載され、気軽に誰でも楽しめる作品となっている。
3月にゲームバランスの調整およびサーバ負荷の検証を目的にクローズドβテストを実施したが、2万人の募集枠に申し込みが殺到したという。実際に同テストに参加したユーザーに対するアンケート調査では、プレイした感想および正式サービス開始後のプレイ意欲は、どちらも約85%好意的な評価だった。
■V字回復の記憶
これまで「ドラクエ」シリーズからは、「ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト」「星のドラゴンクエスト」「ドラゴンクエスト ライバルズ」「ドラゴンクエストウォーク」など数々のスマホゲームがリリースされてきたが、「ドラクエタクト」はリリース前から話題を呼ぶ注目作とみられている。スマホゲーム大手のコロプラは「白猫プロジェクト」以降ヒット作に恵まれず、業績は悪化の一途をたどってきたが、スクエニと共同開発した「ドラクエウォーク」のヒットで業績はV字回復を果たしたのは記憶に新しい。それだけに、「ドラクエタクト」を共同開発するAimingの業績も期待されそうだ。(QUICK Market Eyes 本吉亮)