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投信併合の第2号、クローバー・アセットが3本を1本に

独立系運用会社のクローバー・アセットマネジメントは、同社が運用する4本の投資信託のうち3ファンドを1本に併合する方向で調整に入った。証券投資信託約款の変更(重大な約款変更)を経て、10月下旬までに併合する予定。国内のファンド併合は、今年5月の野村アセットマネジメントに続く「第2号案件」となる。

同社が受益者向けに出したお知らせによると、併合するのは受託銀行が同じ3ファンド。同社のファンドで純資産総額が最も大きい「コドモファンド」を存続ファンドとして、運用方針などが近い「らくちんファンド」かいたくファンド」を吸収する。受託銀行が異なる「浪花おふくろファンド」は対象外で、そのまま存続する。

併合にあたっては、消滅するファンドの信託約款に併合に関する条文がないため、必要な条文を追加する「重大な約款変更」の書面決議が可決される必要がある。同社は併合提案について「弊社の理念や資産運用に対する想い、ファンドの基本的な性格を変更するものではない。経営資源を集中することで、これまで以上により質の高い運用を提供できる」との考えを示した。

併合するファンドは、3本とも複数のファンドに投資する「ファンド・オブ・ファンズ」形式。それぞれ投資先ファンドの重複はあっても、投資地域の資産配分や為替ヘッジの有無などが違い、運用内容が完全に一致しているわけではない。運用内容が同じ2本を1本に併合した野村アセットの第1号案件とはこの点が大きく異なり、今回が初めてのケースとなる。

 国内には公募投信が現在約5900本あり、このうち約4割が純資産総額10億円未満の小規模ファンド。投信併合は実務面での負担が大きく、追随する動きは限定的だが、運用の効率化には今回のような事例を地道に積み上げていく必要がある。運用会社にとってファンドを管理する手間やコストを削減できるだけでなく、リソースを集約してパフォーマンス向上につながれば投資家にもメリットが及ぶ。

(QUICK資産運用研究所=石井輝尚)

 

 

著者名

QUICK資産運用研究所 石井 輝尚


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