【NQNニューヨーク=張間正義】米ネット証券ロビンフッド・マーケッツのブラド・テネフ最高経営責任者(CEO)は1月28日に一部銘柄への取引を制限したことに対し「選択の余地はなく、規制上の要件を守る必要があったため」と述べた。SNS(交流サイト)の「クラブハウス」で31日、テスラのイーロン・マスクCEOの質問に答えた。
ロビンフッドは28日にゲーム専門店のゲームストップ株など乱高下した銘柄の新規の買い注文を停止した。証券会社は顧客の注文が確実に決済されるように預託金をクリアリングハウス(取引を決済する清算機関)に預ける義務がある。テネフ氏によるとクリアリングハウスから「通常よりも1桁多い」30億ドルの預託金を求められたという。
28日に欧米金融機関から5億ドル規模を借り入れ、29日には投資ファンドなどを対象に10億ドル超の緊急のエクイティ・ファイナンス(新株発行を伴う資金調達)に踏み切った。必要な預託金を確保し、29日に取引制限を一部緩和した。
1月29日付の自社ブログでも、制限した理由について「個人投資家に買うのを止めて欲しかったわけではなく、求められた預託金の規模があまりにも大規模だったため」と説明していた。取引を制限した株価変動の大きい一部銘柄だけで数億ドル規模の預託金が必要になったという。