【NQN香港=須永太一朗】24日夕の上海外国為替市場で人民元が対ドルで一時1ドル=6.3238元と2018年4月下旬以来およそ3年9カ月ぶりの高値を付けた。同日の債券市場では中国の国債利回りの低下(価格の上昇)が一段と進み、金融仲介会社タレットプレボンのデータによると米中の長期金利の差は0.91%と19年5月下旬以来の水準に縮小した。
従来は中国国債の利回りが低下すれば投資魅力が薄れ、資金は米国債へ向かい元売り・ドル買い要因となりやすかった。ただ、ここにきて連動が薄れ、米中金利差の縮小と元高・ドル安が同時に進んでいる。
旺盛な輸出による中国の貿易黒字の積み上がりや、海外投資家による中国本土株など人民元建て金融商品への活発な投資が、元買い・ドル売りにつながっている。春節(旧正月)の連休が近づき、中国国内で人民元の需要が増すなどの季節要因も元高に弾みを付けている。