【日経QUICKニュース(NQN)】東京証券取引所は4日、株式市場を再編する。中核市場の再編はおよそ60年ぶり。従来の1部、2部、マザーズ、ジャスダックの4区分から、企業の収益や時価総額などに応じて「プライム」「スタンダード」「グロース」へと移行する。今後は東証株価指数(TOPIX)など株価指数の見直しも予定されている。
東証1部に上場する企業の84%は最上位の「プライム市場」を選んだ。ほかの1部企業は2部やジャスダックスタンダード市場の企業とともに「スタンダード市場」を選択。新興企業向け市場にはジャスダックグロース市場とマザーズ市場のほとんどの企業が「グロース市場」へ移る。
各市場には、ガバナンス(企業統治)体制や業績などの基準を設けている。なかでも市場ごとに大きく違うのが「流通株式時価総額」の規模だ。例えば、プライムでは100億円が基準で、これを満たしていないプライム上場企業は東証に計画書を提出し、企業価値の向上に取り組む。
株価指数の改革も進む。TOPIXはこれまで東証1部の上場企業で構成してきたが、再編後はプライムを選択しなかった企業も継続採用される。ただ、流通株式時価総額が100億円未満であれば、段階的に組み入れのウエート引き下げの対象となる。現在の東証マザーズ指数はグロース市場に上場する時価総額上位250銘柄で構成する指数に衣替えする予定だ。
<TOPIX見直しのスケジュール> | |
時期 | 内容 |
21年12月末まで | 第1回判定 |
2022年1月28日 | 第1回で流通株式時価総額100億円未満の企業に連絡 |
4月4日 | 新市場区分に移行 |
10月まで | 対象会社のみ第2回判定のための手続き |
10月7日 | TOPIXの段階的ウエート低減銘柄を公表 |
10月末から | TOPIXの段階的ウエートの低減を開始 |
23年10月末 | 段階的ウエート低減銘柄の再評価 |