2025年4月13日に開幕予定の「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」。前回の記事では、万博をテーマとした投資ポイントと銘柄の選び方について確認した。
今回は後編として、それらを踏まえた具体的な注目銘柄を紹介していく。
👷人工島「夢洲」開発の関連企業
大阪・関西万博の会場となる人工島「夢洲」では、万博終了後を見据えた再開発計画がすでに始動している。第1期のプロジェクトとして、IR(統合型リゾート)の区域整備計画が認定済みであり、海外企業のリゾート運営大手MGMリゾーツと国内大手のオリックス(8591)が共同で運営事業者に決定している。
万博跡地利用については「サーキット場」などの構想も検討されており、大規模な開発プロジェクトへと発展する可能性がある。今後、工事や関連インフラ整備により恩恵を受けると予想される、関西地盤の建設関連銘柄として以下が挙げられる。
これらの企業は、万博施設の工事も請け負っている。
ほか、山久(9065)、櫻島埠頭(9353)など、夢洲に土地を持つ銘柄にも注目したい。
🎪パビリオン出展企業・団体
大阪・関西万博では海外パビリオンのほかに、13の企業・団体が民間パビリオンを出展する。主要企業に要注目だ。
- 日本電信電話(9432)
- パナソニックHD(6752)
- パソナグループ(2168)
- バンダイナムコHD(7832)
- 飯田グループHD(3291)
- 住友商事(8053)ほか住友グループ
- 三菱電機(6503)ほか三菱グループ
🚢協賛・運営参画企業にもビジネスチャンス拡大か
大阪・関西万博については、パビリオン出展企業以外にも、多くの企業が協賛および運営に参画している。これら企業にとっては自社の技術やブランドを広くアピールする機会となり、イメージや認知度の向上につながることが期待される。
アミューズメント関連の GENDA(9166) は子会社を通じてデジタル決済施設「デジタルウォレットパーク」への協賛が決定した。
岩谷産業(8088) は国内初の水素燃料電池船を運航予定で、夢洲と大阪市街地を結ぶ来場者輸送を担う。水素インフラの先進性をアピールする絶好の機会となりそうだ。
観光土産品の卸事業を手掛けるタカチホ(8225)は、公式ライセンス商品を製造・販売する。
「未来社会ショーケース事業」へ参加する 丹青社(9743) は、大阪万博による受注増の見込みから2024年1月に業績予想の上方修正を発表した。
▶ 関連記事:丹青社、インバウンドや大阪万博で受注増
💊万博テーマ「ライフサイエンス・バイオ産業」での注目銘柄
重要展示テーマの一つであるライフサイエンスや再生医療分野にも注目だ。万博ではパソナグループの展示でiPS細胞由来の「iPS心臓」が公開される予定で、iPS細胞を活用した再生医療に興味関心が集まりそうだ。
iPS細胞による心筋の再生医療を確立、製品開発を行っているHertseed(219A)は、万博の「大阪ヘルスケアパビリオン」のSBIブースの出展に協力・参加する。
実際に事業として取り組む企業として、大阪大学発ベンチャーの クオリプス(4894) は、大手医薬品メーカーの 第一三共(4568) と共同でiPS細胞由来の心筋シートを開発中だ。
また、iPS細胞や関連機器の研究開発を手掛ける リプロセル(4978)、ニプロ(8086)、セルシード(7776) などにも注目したい。
🛫観光・インバウンド業界にも特需期待
万博に伴い、国内外からのインバウンド需要が拡大する見込みだ。関西国際空港の発着枠増加(1時間あたり約3割増)もあり、相乗効果が期待される。インバウンド関連として、下記の銘柄に注目したい。
百貨店関連銘柄
航空・鉄道関連銘柄
- 航空:日本航空(9201)、ANAホールディングス(9202)、スカイマーク(9204)
- 鉄道:JR西日本(9021)、阪急阪神HD(9042)、南海電気鉄道(9044)、近鉄グループHD(9041)
旅行・宿泊関連銘柄
✅まとめ
2025年の一大イベント「大阪・関西万博」には数多くの企業が参加し、ここに紹介した以外にも潜在的な関連銘柄は多い。引き続き注視しておきたい。
QUICK Money Worldでは、万博やiPS細胞の関連銘柄一覧と、万博を含むプレスリリース一覧を公開している。ぜひ投資活動の参考としてご活用いただきたい。
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