「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」が4月13日に開幕する。海外パビリオン建設の遅れや前売り券の販売不振など課題も指摘されているものの、2025年最大の国家イベントとして投資家や市場からの関心は依然として高い。
今回の記事(前編)では、開催に向けて投資テーマとなりそうなポイント・注目銘柄の見つけ方、また過去の『愛・地球博』における出展企業の株価推移について、詳しく紹介していく。
📅 大阪・関西万博2025の開催期間
今回の万博「大阪・関西万博」は、2025年4月13日(日)から同年10月13日(月)までの184日間、開催される予定だ。
開催地は大阪府大阪市此花区にある人工島、「夢洲(ゆめしま)」である。
📌 前回の「愛・地球博」開催時に注目された主要銘柄と株価騰落率
大阪・関西万博は日本で20年ぶりの万博開催となる。前回は2005年の「愛知万博(愛・地球博)」で、愛知県で開催された。
当時は、地元企業・パビリオン出展企業・交通インフラ系銘柄などに関心が集まった。
今回も銘柄選定やテーマ探しのヒントになるため、当時の主要関連銘柄の騰落率を確認しておこう。
コード | 銘柄名 | 株価騰落率(*) |
---|---|---|
7203 | トヨタ自動車 | +27.6% |
5333 | 日本碍子 | +32.2% |
6902 | デンソー | +24.2% |
9533 | 東邦ガス | +35.9% |
6501 | 日立製作所 | +6.4% |
6503 | 三菱電機 | +25.5% |
9022 | JR東海 | +11.2% |
9048 | 名古屋鉄道(名鉄) | +18.7% |
*(注) 愛知万博の開催期間は2005年3月25日~9月25日の約半年間だが、万博前後の影響を考慮し、ここでは2005年2月15日~10月31日の株価推移をもとに算出
🔍 大阪・関西万博の関連銘柄を探すポイント
2025年の大阪・関西万博では、どの分野や企業に注目すればよいのだろうか。関連銘柄探しのポイントを、大きく4つにわけて解説する。
① 地元・大阪関西圏の企業に着目する
国が発表した試算では、大阪・関西万博の経済効果は約2.9兆円。そのうち半数を超える約1.6兆円が地元・大阪府にもたらされるとされている。このため、新規投資や地域活性化への期待から大阪を地盤とする企業群をチェックしたいところだ。
とくに、大阪・関西万博の会場となる人工島「夢洲」では、万博跡地を含む大規模な開発計画が始動している。第1期のプロジェクトとして、IR(統合型リゾート)の区域整備計画が認定済みであり、IR関連銘柄や関西を地盤とする建設業などに注目したい。
② パビリオン出展企業・団体に注目する
大阪万博では、13の企業・団体がパビリオン出展を予定している。前回の万博でも出展企業のブランドイメージ向上や知名度アップによる株価の好パフォーマンスがあったため、今回も出展企業の動向は見逃せない。
③ 協賛企業・運営参画企業にフォーカスする
万博の運営に参画する企業や、関連施設・周辺環境整備(インフラ・交通・宿泊施設など)に伴うサプライヤーや協賛企業についても特需が予想される。開催準備が本格化する中で個別銘柄への注目が強まりそうだ。
④ 万博テーマ『ライフサイエンス・バイオ産業』に注目する
2025年大阪・関西万博では、テーマとして「命輝く未来社会のデザイン」を掲げている。特に、日本の強みであるライフサイエンス分野・バイオ医療分野(IPS細胞や再生医療など)の発展を万博の魅力として打ち出しており、展示で世界的注目を浴びる可能性がある。そのため、関連企業に注目が集まるだろう。
✈️ 訪日外国人の再拡大による観光・インバウンド需要にも期待
万博をきっかに訪日外国人客数が大きく増加すると見込まれている。万博側が想定する、海外からの来場者数は約350万人だ。2024年の大阪府への訪日外国人数は1,464万人だったため、試算通りであれば、前年度の約25%にあたる外国人観光客が万博会場に足を運ぶことになる。観光関連株(旅客輸送系企業・ホテル・百貨店や消費財など)にとって追い風となる見通しだ。
次回の後編記事では、実際に大阪万博をテーマとして、具体的に投資対象となりそうな注目銘柄を取り上げて紹介する。