QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2022/06/17)
・業績伸長が続くとみた当研究所の予想を据え置く
企業価値研究所は22/12期連結業績の営業利益を前期比12%増の61億円と予想。会社計画比やや強めの前回予想を据え置く。1Q業績は会社計画比高進捗となり、好調な滑り出しになったと評価する。半導体・自動車関連の堅調な需要に加え、対人民元・ドルでの大幅な円安も効いたとみる。2Qは上海ロックダウンの影響による中国の業績の減速懸念があるが、1Qの進捗の高さや円安のプラス効果の継続の見通し等を踏まえ、引き続き会社計画線を上回る業績推移を見込む。
23/12期、24/12期と業績続伸を見込む予想も円安効果等を踏まえ据え置く。半導体・自動車・高速通信網関連の需要増加、中国の製造業強化の動き等を背景に、高付加価値品を中心とした工具の販売増加が続くとみる。
・財務は良好な水準維持。株主還元は高水準が続く
自己資本比率は90%超の高水準を維持。1株当たり年間配当金の計画は、21/12期は上期決算時に60円→75円に増額され、最終的に再増額されて77円となった。22/12期は80円の計画だが、増額される可能性がある。当面同社の株主還元は高水準が続くと予想する。
・リスクファクター ~上海ロックダウン、部材不足等
・アナリストの投資判断 ~業績改善期待を下支えに底堅い回復を予想
現状の当研究所の22/12期予想PERは13倍台、実績PBRは1.0倍程度。同社の過去5年平均(PER22倍、PBR1.1倍程度)に対して割安感のある水準となっている。上海のロックダウンによる中国事業の減速懸念が当面の株価の重荷となる可能性はあるが、円安による業績の改善期待は株価の下支え要因になるとみる。来期業績の回復を見据えつつ、株価は徐々に回復基調を辿ると予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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