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日清食品ホールディングス(2897) 利益成長のトレンドは堅調さを維持、23/3期は増収増益を予想

QUICK企業価値研究所アナリスト 篠崎智明(2022/06/21)

・22/3期は営業減益だが、成長トレンドは底堅い
 企業価値研究所では、業績予想銘柄として同社のカバーを開始する。22/3期通期の連結業績は、売上収益が前期比12.6%増の5697億円、営業利益が同16.1%減の466億円だった。売上収益は、湖池屋の新規連結効果による菓子事業の拡大や、米州地域など海外の伸長が寄与し、連結全体で増収。一方、海外を中心とした原材料コスト上昇が響き、連結営業利益は減益を余儀なくされた。なお、会社が重視している利益指標の既存事業コア営業利益は同5.4%減の496億円。同指標を新型コロナウイルス感染拡大の影響が小さかった20/3期通期と比較した年平均成長率は7.5%増であり、利益成長のトレンドは堅調さを維持していると当研究所では評価している。

・23/3期は9.4%の営業増益を予想
 当研究所では、23/3期の連結業績予想について、売上収益を前期比8.4%増の6175億円、営業利益を同9.4%増の510億円とした。原材料高や物流費増の影響を受けるが、23/3期も需要の堅調さが続き、価格改定や販売数量増、高採算商品の拡販などで吸収できると予想している。

・リスクファクター ~原材料高による採算の悪化

・アナリストの投資判断 ~株価は横ばい圏の推移を予想
 22/3期は連結全体で増収減益だったが、利益成長のトレンドは堅調さを維持。コロナ禍を経て同社製品の摂食機会は増加しており、消費者の裾野も拡大していると当研究所ではみている。23/3期以降の連結業績について、増収増益基調で推移すると予想。完全栄養テクノロジーなどの新規事業が持つポテンシャルも評価できるが、原材料価格の更なる上昇などリスク要因も多く、プラス材料とマイナス材料が拮抗している状況。当面の株価は横ばい圏の推移にとどまると予想する。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

篠崎 智明

シニアアナリスト

食料品担当


【プロフィール】

首都大学東京都市教養学部(現東京都立大学法学部)卒業。地方銀行に入社し、支店勤務、日本経済研究センター出向、銀行系シンクタンク出向を経て、2020年QUICK企業価値研究所に入社。

マクロ経済の分析経験を活かしつつ、取材などを通じて個社を多角的に評価できるよう努めている。


日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)


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