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スクウェア・エニックス・ホールディングス(9684) 大型グローバル新作への経営資源集中・内製化で品質向上や開発期間短縮に期待

QUICK企業価値研究所アナリスト 永田和子(2022/11/21)

・海外スタジオ売却で投資回収リスクも軽減へ
 海外開発スタジオ・一部IPの売却(8月)を皮切りに、IPエコシステム強化や事業構造最適化といった中期事業戦略が本格化。内製開発体制を強化し、グローバルで戦えるHDゲーム大型作に経営資源を集中する。海外スタジオ売却で投資回収リスクが軽減するほか、大型グローバル新作への経営資源集中・内製化により、クオリティ向上や開発期間短縮に期待。スマホゲームでも同様の戦略を進めるが、巻き返せるかは未知数。

・来期以降、営業利益水準切り上げを予想
 連結営業利益の企業価値研究所予想は業績表の通り。今期は(a)スマホ向け既存作減衰、(b)『FF14』拡張版の反動から減益見込みだが、『FF』『ドラクエ』『キングダム ハーツ』など看板IPのHDゲーム大型新作が控える来期以降、利益水準切り上げを予想。『FF16』『FF7 REBIRTH』という大型2作が揃う来期は円安の恩恵もあり過去最高を大幅更新へ。『ドラクエ12』投入を想定する25/3期は(a)(b)により全体で減益を見込むが、前年大型2作の追加販売もありHDゲームは営業増益を予想。なお、円安は追い風だが、足元は当研究所想定より円高水準。前回予想比では今・来期を減額する一方、来期大型2作の需要後ろ倒しを主因に25/3期予想を引き上げた。

・リスクファクター ~開発費の回収リスクなど

・アナリストの投資判断 ~来期以降の利益水準切り上げを織り込めば、依然、割安感強い
 来期以降の利益水準切り上げを織り込めば、依然として割安感が強い(目安は当研究所予想に基づく直近2年の実質平均PER20倍)。新作情報更新、年末商戦でのPS5普及、今期新作『FORSPOKEN』の成否などに注目。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

永田 和子

シニアアナリスト

小売セクター、ゲーム・アミューズメントセクター担当


【プロフィール】
早稲田大学第一文学部日本史学科卒業。東京証券(現東海東京証券)入社。入社直後から調査部門でアナリスト業務(小売、繊維・紙パルプ、食品、ゲーム)に就く。03年にQBR(現QUICK企業価値研究所)へ。企業調査歴30年。


日本証券アナリスト協会 ディスクロージャー研究会 小売専門部会、広告・メディア・ゲーム部会、新興市場部会 評価実施アナリスト


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