【日経QUICKニュース(NQN)】日本格付研究所(JCR)は24日公表したコメントで、国内銀行の持ち株会社が発行するAT1債について「発行体が法的に破綻した場合、AT1債の回収順位は普通株式よりも上位になる」と指摘した。スイス金融大手クレディ・スイス・グループが発行したAT1債が無価値化したが、JCRは「邦銀等が発行するAT1債について、こうした事態が生じる可能性は低い」として、現時点で格付けの見直しは検討しないとの見解を示した。
スイス金融市場監督機構(FINMA)はUBSによるクレディ・スイスの救済買収に伴い、クレディ・スイスが発行するAT1債が全額毀損すると決定。株式の価値がゼロとならない段階でAT1債の元本が全額削減され、一部投資家から非難の声が挙がっていた。