QUICK企業価値研究所アナリスト 小西慶祐(2023/05/16)
・為替前提の違いや製品構成改善を見込み強めを予想
24/3期の連結営業利益見通しについて会社側は、過去最高更新となる3兆円(前期比10%増)を計画。半導体需給の改善が寄与する見通し。企業価値研究所は、半導体不足の解消が早まるとみて、24/3期の営業利益予想を3兆1000億円→3兆2000億円(同17%増)へ増額。営業利益で過去最高を更新するとの見方に変更はない。為替レートの前提を会社想定より円安水準に設定、製品構成の改善効果も強めにみて、会社計画を上回る予想とした。25/3期以降も、BEV(電気自動車)への先行投資負担の増加は見込まれるが、ハイブリッド車を中心とした販売数量の拡大、原価低減活動から業績続伸を予想する。
・競争力あるBEVの投入に期待がかかる
同社は4月7日に、新体制方針説明会を開催。26年に、航続距離2倍、工程数2分の1で生産する次世代BEVを投入すると発表。本決算発表時には、BEVファクトリーの新設も公表した。当研究所では、一歩踏み込んだBEV戦略を明示したことを前向きに評価している。競争力あるBEVが投入されることを期待したい。なお、26年にBEVで年間販売台数150万台を基準値として設定したが、その達成は既存BEVの改善動向次第と考えている。
・リスクファクター ~為替、不正問題の拡大など
・アナリストの投資判断 ~利益拡大、増配に沿い株価も緩やかに持ち直すと予想
直近の株価に基づく24/3期の当研究所予想PERは10倍。同社の過去60カ月の平均PERとおおむね同水準にあり割安感はない。今後の株価は、利益拡大と増配に沿い、緩やかに持ち直す展開を引き続き予想する。上昇ピッチが一段速まるには、競争力あるBEVの投入が必要不可欠と考えている。
(提供:QUICK企業価値研究所)
本サイトに掲載の記事・レポートは、QUICK企業価値研究所が提供するアナリストレポートサービスの抜粋記事です。
レポートサービスは証券会社・金融機関様に対し個人投資家向け販売資料としてご提供させて頂いております。
サービスに関するご質問、資料のご請求等はこちらよりお問い合わせください。
※ 個人投資家の方は掲載記事(レポート)の詳細を「QUICKリサーチネット」からもご覧頂けます。
サービスの詳細・ご利用方法はこちらをご覧ください。
※ なお、本サイト掲載記事の内容に関する個別のご質問にはお答えできかねます。ご了承ください。