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【QUICK Money World 辰巳 華世】資産運用で大切なことの一つにリスク管理があります。今回は、資産運用のリスク管理について解説します。具体的な投資リスクの種類と特徴、リスクを管理するための5つのポイントなどを紹介します。
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資産運用とは?基本とリスクを解説
資産運用とは、自分が持っているお金など資産を株式や投資信託などで運用して効率的に増やすことです。資産運用にはリスク管理が必要です。いきなりリスク管理と言われても、一体何をすれば良いのか分からない人もいるかもしれません。リスク管理の第一歩は、なぜ資産運用をするのかを明確に理解することから始まります。資産運用の目的がハッキリすると、投資先や投資方法の選定など目的に応じた適切な手法が分かりリスクを効果的にコントロールする道筋が見えてきます。では、具体的にリスク管理をする方法を見ていきましょう。
資産運用をする目的・必要性とはなにか?
資産運用は金融商品への投資を中心に効率的に資産を増やしていくことです。現代社会を生きる私たちは、資産運用が必須です。人生100年時代を迎え老後期間が長くなったことや、終身雇用の崩壊、給与の伸び悩みなど年金不安が高まり老後資金を自分で確保することが必要です。
既に多くの方が体感している物価高への対応も必要になります。日本は長いことデフレに苦しんできましたが、ここに来て物価が上昇しインフレ傾向が高まっています。インフレ時代には、インフレ率に負けない利回りを確保した運用が必要になります。なぜならば、インフレというのはお金の価値が減っていく状況と裏表の関係にあるからです。お金そのものを増やすことが資産の防衛にもつながるのです。
人生設計としてのライフプラン(ノープランにはリスク有り)
人が生きていくうえでお金は絶対に必要なものです。社会人になり、この先の人生を考えていくとさまざまなイベントがあります。結婚をする人、車を買う人、家を買う人、子供が生まれ教育費が必要な人など人生のイベントにはそれぞれお金がかかります。
自分の人生のイベントを想定し、それぞれのイベントでどれくらいのお金が必要なのかを考えていくことを「ライフプラン」と呼びます。ライフプランには、将来のイベントだけでなく、万が一病気になった時や災害といった想定外の事態に備えある程度の余力も考えておくこと、老後資金やその先の相続まで想定して考えることも含まれます。ライフプランは、自分の一生の生活の中で必要なお金を考えることです。
資産運用と「ライフプラン」はセットです。資産運用は効率的に資産を増やすことですが、ただ闇雲に運用して増やせば良いという話しではありません。自分のライフプランを考え、例えば5年後にいくらくらい必要と時期と金額をある程度明確にすることで、適切な運用商品や方法を選ぶことができます。
ライフプランを具体的に考えずにノープランのまま、資産運用をすることはリスクがあります。具体的な時期や金額が不透明なので適切な運用方法を選ぶことができず、いざお金が必要になった時にお金が足りなかったという事態になるリスクもあります。
資産運用をする時には、必ずライフプランを考えて資産運用の目的と必要額を明確にしておきましょう。
ライフプランを作ろう! おすすめの相談先や策定の手順をチェック 。これからどんなライフイベントがあるのか。いわば理想の人生をデザインするためのライフプランの策定について、一緒に考えていきましょう。 |
貯蓄と投資の違い
ライフプランを考えたうえで資産運用を始める時、資産運用の方法には大きく分けて2つあります。「貯蓄」と「投資」です。
貯蓄とは、銀行などにお金を預けて貯めることです。定期預金や普通預金など貯蓄には種類はありますが、一般的に貯蓄はすぐに引き出しやすく使いやすい流動性の高い金融商品です。生活費や近々使う予定があるお金などは貯金でもっておくことが大切です。
一方、「投資」は、株式や投資信託などを買って運用することです。株式や投資信託などへの投資は、値上がり益やその利益の分配を期待して運用しています。今すぐ必要ではない教育資金や老後資金など将来に向けて増やしていきたい資金を少しずつ長い時間かけて増やしていくのに適しています。
お金に換金する際は株式や投資信託を売却する必要があります。ただ、株価は常に変動するため思い通りの値段で売れないこともあります。また売却してから少し時間をおいて入金されるなど貯金に比べると流動性は低くなりますが貯金よりも値上がり益や利益の分配などが得られる可能性は高く先を見据えた将来への資金準備に向いています。
◯投資先の種類
投資先にはいくつか種類があります。先程紹介した株式や投資信託は資産運用では代表的な投資先になります。株式や投資信託では、国内だけでなく海外の株式や投資信託もあります。不動産投資なども資産運用に活用される運用商品です。利息が付く預貯金も投資先の一つです。
それぞれ投資する金融商品によって、リスクに違いがあります。例えば、それぞれ価格の変動要因があります。株式は個別の銘柄であれば、経済情勢だけでなく、その銘柄独自の例えば業績悪化などを材料に株価が動くことがあります。海外の株式や投資信託であれば、経済情勢や紛争といった地政学リスク、個別銘柄の要因に加え為替の値動きも影響してきます。
資産運用にはリスクがある
資産運用には、リスクがあります。リスクと聞くと、「危ないこと」「損失」などを想像してしまうかもしれませんが、資産運用のリスクの意味はそれとはちょっと異なります。投資の世界のリスクは一般的な言葉から連想されるネガティブなものではなく、きちんと知識を持って対応すればコントロールできるものです。
投資のリスクとは、「可能性」があることを意味していると考えると良いかもしれません。例えば、価格変動リスク。価格が動く可能性があるリスクということです。次の章で投資リスクについて詳しく見てみましょう。
投資リスクとは?種類と特徴
ここでは投資リスクについて紹介します。リスクにはさまざまな種類があります。それぞれがどの様な内容なのかを知っておくことはとても大切です。
株価変動リスク
これは、価格が動く可能性があるリスクです。元本保証がある商品以外は、ほぼ全ての金融商品が抱えるリスクであり、投資する場合には必ずあるリスクと言えます。例えば預貯金は基本的に元本保証がありますが、株式は日々価格が動き、投資した金額よりも価格が下がり損をする場合があるということです。
信用リスク(デフォルト・リスク)
国債を発行する国、株式や社債を発行する企業が財政難や経営不振になり投資家から預かったお金や利息の一部または全部を返済する能力がなくなる可能性のことです。「デフォルト・リスク」と呼ぶこともあります。
例えば、社債であればあらかじめ決められていた条件で利払いがされなかったり、元本が返ってこなくなる可能性があります。株式の場合でも、デフォルトが起これば株価は大幅に下落し、最悪の場合は上場廃止や倒産なども考えられます。
流動性リスク
聞きなれないかもしれませんが流動性リスクというものもあります。これは、売買が極端に少なくなることで取引が成立せず、売りたい時に売れなかったり、不利な価格で取引せざるを得ないなどの可能性があることです。株式投資における流動性リスクは、取引量が少ないことで起こります。
もともと市場に出回る株式の絶対量や取引量が少なく、人気が薄い状態の銘柄に起こったり、例えば企業の不祥事である粉飾決算や虚偽記載などが発覚し、その銘柄が上場廃止になる可能性が高まった場合などに起こります。
金利変動リスク
金利変動リスクとは、金利が上がったり下がったりすることで資産価値が影響を受ける可能性があるリスクです。特に債券は金利変動に大きな影響を受けます。債券は基本的には満期までもてば元本が返ってくる金融商品ですが、満期前でも市場で時価で売買することが可能です。その時に金利が上がっていると債券価格は下がり、金利が下がっていると債券価格は上がります。
私たちの生活で身近なところでは預貯金の金利や住宅ローン金利なども影響を受けます。また、株価・金利・為替は密接に関係しているので金利が変動すれば株価や為替も影響を受けます。
為替変動リスク
為替変動リスクとは、異なる通貨の為替相場の動きにより、外貨建ての円換算の金融商品の価格が変動する可能性があることです。金融商品そのものの価格が変化しなくても、為替変動で投資活動に影響が出る可能性があることです。
投資先が円安・円高によってどう影響を受けるのか。具体的には、例えば円安が進むことで投資先の日本円に換算した際の価格はどうなるのかといったことになります。
5つのポイントで資産運用のリスクを管理する方法
ここからは、資産運用でリスクをコントロールする5つのポイントを紹介します。ポイントを意識しながら、自身の投資スタイルやリスク許容度に合わせた運用方法を選ぶことで、安全かつ効果的な資産増加を目指すことができます。
分散投資
投資の世界には「卵は1つのカゴに盛るな」という投資格言があります。1つのカゴだけにたくさん卵を入れて運ぼうとし、そのカゴを落としてしまったら全部が割れてしまいます。たくさんの卵をいくつかのカゴに分けて入れて運べば、例え一つのカゴを落としてしまって割れても、残りのカゴの卵が生きているというものです。
まさにこれが分散投資の考え方です。投資をする際も一つの金融商品だけでなく複数の商品に分散することが大切です。分散投資には、資産や金融商品の分散、地域の分散のほか、投資する時期をずらす時間(時期)の分散をすることが大切です。
情報収集と分析の徹底
資産運用をする上で大切なことの一つに情報収集と分析の徹底があります。今の時代は、インターネットから簡単に情報を入手できますが、一方で、情報が多すぎる問題や、その情報が本当に正しいのかどうかという問題もあります。
投資情報はどこで入手できるのでしょうか。株式については企業のホームページでは決算などの様々な情報が閲覧できます。また統一されたフォーマットで企業の有価証券報告書などが見られる金融庁の「EDINET」、東京証券取引所の適時開示情報伝達システム「TDnet」など公的機関などが運用しているプラットフォームもあります。これらに加え、新聞などメディア、証券会社のアナリスト、個人が発信するSNSなど投資情報は無数にあります。
中でもネット上には「この株が上がる」などちょっと気になる情報も多いですが注意が必要です。そういった情報を目にした時に大切なことは、鵜呑みにしないことです。必ず、元のデータとなる企業が発表する決算資料や経営者の声などを自分で見て、自分なりに分析をし判断していくことが大切です。
定期的なポートフォリオの見直し
資産運用を始めて投資を開始したらそれで終わりではありません。定期的に自分の投資資産について見直しをすることが大切です。自分が投資した資産の構成をポートフォリオと呼びます。
例えば毎月1回、ポートフォリオを見直し、ある資産だけが極端に増えていたら、少しその資産を売却して足りない資産を買い足すなどバランスを取ったりするのも良いでしょう。また、大きく相場が動いた時なども必ず自分のポートフォリオを確認し、どうするべきか考えることが大切です。
期間を定めて投資戦略
資産運用は、資金目的や運用期間によって選ぶ金融商品や運用方法が異なります。例えば、教育資金であれば、そのお金が必要になる時期が決まっています。3年後の中学入学に向けて、9年後の大学入学に向けてなど具体的に時期が明確になります。
運用期間が3年だとお金が必要になる時期が割りと近いこともあり、価格変動があまり大きくなく安定的な運用を目指していくのが良いかもしれません。9年と比較的長くなればもう少し積極的な運用をするなど期間によって戦略を変えることが大切です。
一方、老後資金であれば20年後、30年後と比較的長い期間運用することができます。運用期間によって、どの様な金融商品を選ぶかなども異なってきます。毎月積み立てで運用する場合、期間が長ければそれだけ多くのお金を積み立てられますし、運用による複利効果も期待できます。長期間であれば途中で相場が大きく変動しても回復する可能性もあるので積極的な運用が可能になります。
専門家への相談
資産運用でもう一つ活用したいのは、専門家への相談です。ライフプランを考えるのは自分しかできませんが、専門家はそのライフプランに沿ったアドバイスをしてくれます。資産運用だけでなく、日々の生活費の改善点なども教えてくれます。自分だけでは気づけなかったその道のプロならではの視点が加わるのでとても役立ちます。
人が生きていくうえでお金は絶対に必要なので、誰でも何かしらお金の悩みを抱えています。しかし、お金の悩みは、友達や同僚など身近な人には話しにくいお題です。そういった面でも、お金の悩みについてお金の専門家に相談するのはとても良いです。
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資産運用を始める前に確認すべきポイントとリスク
ここでは、資産運用を始める前に確認すべきポイントについて紹介します。自分のリスク許容度や投資目的、資金の準備状況など、事前に確認すべきポイントを整理してみましょう。
リスクの許容度
資産運用を始める時に知っておくべきことの一つに、リスク許容度があります。リスク許容度とは、資産運用でどの程度の損失であれば自分が耐えられるかの度合いを測るものです。では、もう少し細かくリスク許容度について見てみましょう。
〇リスク許容度を決めるための4つのポイント
リスク許容度を決めるには、4つのポイントがあります。
- 年齢
- 家族構成やライフイベント
- 資産や収入
- 投資経験や性格
年齢は、投資期間に係る重要な要素です。一般的に若ければ若いほど、長い運用期間がとれるので投資に有利になりリスク許容度は高まります。
家族構成やライフイベントでもリスク許容度は変わります。子どもが小さければまだこれから教育費が必要ですし、住宅購入など支出が膨らむ可能性もあります。支出が多ければそれだけ運用にまわせるお金は減るのでリスク許容度は小さくなります。
資産や収入がどれくらいあるかもリスク許容度に関係します。一般的には、資産や収入が多いほどリスク許容度は高くなります。ただ、収入が多くても支出が大きければ話しは別で、収支のバランスがある程度必要です。
投資経験や性格もリスク許容度に影響します。例えば株価が下がり損が出たらと心配になり眠れなくなってしまう様なタイプの人は、リスク許容度はあまり高くありません。自分がどの様なタイプかは実際に投資をしてみるとわかる部分もあり、投資経験も必要です。投資は価格が変動する金融商品が多いので、自分が価格変動に対してどれくらい耐性があるか性格を知ることはとても大切です。
資産運用の目的を明確にする
資産運用の目的を明確にしましょう。ただ闇雲にお金を増やせばいいわけではなく、ライフプランを立て、いつまでにいくらくらいのお金が必要かということを明確にします。目的や運用期間によって、選ぶ金融商品や運用方法が異なってきます。
資産運用に振り向けられる資金を確認する
生活の中で、いくらくらいを資産運用に振り向けられるか確認しましょう。生活費を削ってまで資産運用をすることはやめましょう。無理をすると生活が行き詰まってしまいます。生活費を計算したうえで、毎月いくらくらいまでなら資産運用にまわせるかを予め確認しましょう。
資産運用の失敗例からリスク管理の重要性を学ぶ
資産運用は大切なお金を運用します。失敗を避けるためにも、事前にどういう失敗があるのかを学んでおくことは大切です。投資での失敗は、新たな成功への教訓となります。これから積立投資における実際の失敗例を3つ紹介しますので、どのような過ちを避け、どのような対策をするべきかを学んでみましょう。
積立投資の失敗例3選
失敗例①:相場観に合わせて積立金額を変動させる
相場は価格が上下します。高い時もあれば安い時もあるでしょう。人間心理として、安い時にはいっぱい買いたい!値段が高い時にはあまり買いたくないという心理が働きます。ただ、積立投資では相場観に合わせて積立金額を変えることはあまりよくありません。相場においてどこが高値か安値かを判断するのはプロでもとても難しいです。安値だと思ったらそのまま相場が下落し続け、後から振り返ると高値つかみだったなんてことも起こり得ます。
ある程度、相場分析をする力は大切ですが、積立投資においては例えば月末に一定額を買い付けるなど淡々と継続的に買い続けることが大切です。相場が高い時も安い時もありますが、結果的に、買値は平準化されます。
失敗例②:生活が苦しくなるくらいまで積立投資金額を大きくしてしまう
生活費を削ってまで投資額を増やしてしまうと生活が回らなくなり投資どころの話ではなくなってしまいます。特に積立投資は、毎月一定額を投資していくので、毎月生活が苦しいという状況に陥ってしまいます。積立投資を始める前に、生活費と投資にまわせる額をしっかりと把握し無理のない範囲で始めることが継続するポイントになります。
失敗例③:金融商品をよく調べずに投資先を選ぶ
どういう金融商品なのかをよく調べずに投資を始めると失敗することがあります。商品によって、リスクとリターンが異なります。リターンを狙ってリスクが高い商品ばかりを選んでしまうと、大きな損を出してしまう可能性もあります。一方で、リスク・リターンが小さい商品を選んでしまうと目標としている結果が得られないこともあります。自分がどういう目的でいつまでにいくらのお金が必要かを明確にしてから、それにあった金融商品を選ぶ必要があります。
リスクを回避して資産運用をしよう
資産運用にはリスクがあるので、リスク管理が必要です。資産運用におけるリスクを正しく理解し管理することが成功の鍵になります。リスク管理の方法や投資の基本を知ることで、安心して資産運用を行うことができます。
資産運用とライフプランはセットで、ライフプランを立てることが大切です。しかし、すべてを自分自身で行うのは難しい場合もあり、そのような時には、専門家であるIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)に相談することで、ライフプランをもとに適切な投資戦略を立てることができます。
IFAに相談することで、自分だけでは気づけなかった専門家ならではの視点が加わります。資産運用を始める前に必要となる、毎月の投資額の把握や自分のリスク許容度の把握などもできます。IFA検索サービス「資産運用ナビ」を通じて、あなたに合ったIFAを見つけ、安心して資産運用をスタートさせましょう。
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