「オルカン」の略称で知られる、三菱UFJアセットマネジメントが運用する「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の資金流入の勢いが増している。2023年12月の月間資金流入額は1088億円(推計値)と、18年10月の設定以降で過去最高となった。24年1月からスタートした新しい少額投資非課税制度(NISA)に向けて、受け渡し日が翌年になるよう23年12月中に購入した資金が含まれているとみられる。
同ファンドは低コストで人気が高い「eMAXIS Slim」シリーズの1本で、日本を含む世界の株式で構成される株価指数の「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円換算ベース)」に連動する投資成果をめざす。これ1本で全世界に分散投資できる手軽さや低コストで個人投資家からの人気が高く、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」では19年から22年まで4年連続で1位を受賞している(23年分は1月5日時点で未発表)。
月次ベースの資金流入額では、シリーズ最大規模の「米国株式(S&P500)」を抑えて2カ月連続トップを維持、年間ベースの資金流入額では7352億円で3位だった。23年12月末時点の純資産総額(残高)は1兆8205億円と、国内公募の追加型株式投資信託(上場投資信託=ETF=を除く)のなかで3番目の大きさをほこる。12月末時点の1年リターンは30.42%のプラスだった。