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テンバガーとは何か?テンバガーを狙う方法をご紹介

記事公開日 2024/11/19 16:30 最終更新日 2024/11/19 16:30 経済・ビジネス コラム・インタビュー テンバガー 市場用語再点検 金融コラム

市場用語再点検!テンバガー

【QUICK Money World 辰巳 華世】株式投資は株価の上昇を期待して投資するものです。株価は、2倍、3倍と上昇することがあります。中には投資した株価が10倍以上になるなんてこともあります。そんな株価が10倍以上になる銘柄を「テンバガー」と呼びます。今回はテンバガーとは何か、過去にテンバガーを達成した銘柄を紹介、テンバガーの特徴、逆テンバガーについて、注意したいテンバガー狙いのリスクについて紹介します。

テンバガーとは

テンバガーとは、株価が10倍になった銘柄やそうなりそうな銘柄のことです。テンバガーは、「テン」は英語の「ten(10)」から、バガーは野球用語で「塁打」からきています。10倍以上のありえない成長をした銘柄を表す言葉です。

テンバガーの達成は銘柄によって期間は異なります。相場のテーマなど時流にのったことで1年など短期間で達成する銘柄もあれば、業績の拡大とともに5年から10年などある程度の時間をかけてテンバガーとなる銘柄もあります。

上場から20年や30年と長いスパンをかけてテンバガーとなっている銘柄も多数ありますが、一般的に「テンバガー銘柄」と注目されるのは比較的、短期間でテンバガーを達成した銘柄のことが多いです。

株価が10倍以上になるテンバガー銘柄、そんな銘柄を探すのは難しいと思う投資家は多いかもしれません。しかし、マーケットを振り返ってみると、テンバガー銘柄は意外とあります。株価10倍どころか、それ以上、100倍などに成長した銘柄だってあります。

企業が株式上場する目的はたくさんあります。その一つは資金調達をして更に事業を拡大させることです。投資家はその企業の事業や将来性に魅力を感じ、投資を通じてその企業を応援します。それが株式投資です。株式投資では、投資家の投資によって良い循環が生まれます。企業は調達した資金を元に事業を拡大し成功すれば業績が良くなり株価が上昇します。

企業の成長は、経済を良くし、ひいては社会を良くすることに繋がります。ある意味、テンバガー銘柄を探すことは、「株式投資とは何か」という本質的な話に通じるものがあるのかもしれません。

 

24年11月時点で時価総額が世界首位の米半導体大手エヌビディア(NVDA)はAI半導体の競争力で急成長した代表的な銘柄です。23年1月に14ドル台(6月に実施した1株を10株に株式分割を考慮)だったエヌビディアの株価は、時価総額でアップルを抜いて世界首位となった24年6月に、140ドル台を付けており、わずか1年半で株価は約10倍となりました。

エヌビディアだけでなく、アップルアマゾン・ドット・コムマイクロソフトなど株価が「大化け」した米国株式は別格ですが、国内に目を向けてもたくさんテンバガー銘柄はあります。例えば北の達人コーポレーション(2930)は2017年の1年間で株価が10倍以上になっています。最近で値動きが大きかった銘柄のひとつが、さくらインターネット(3778)です。23年1月の安値483円から24年3月の高値1万980円まで、株価は22倍となりました。データセンターの自社運営、生成AI(人工知能)向けGPU(画像処理半導体)クラウドサービスの提供など、話題性の多い銘柄です。

過去にテンバガーを達成した銘柄を紹介

日本の銘柄

テンバガーを達成した日本銘柄
銘柄コード 銘柄名 市場区分 上場後
最安の終値
株価
(2024年11月8日終値)
6920 レーザーテック プライム 130.5円
(2012年7月26日)
20,050円
達成理由:半導体関連銘柄のグロース(成長)株と注目を集める
2930 北の達人コーポレーション プライム 31.0円
(2015年1月21日)
155円
達成理由:札幌アンビシャス市場から東証への追加上場とともに、業績の拡大で注目を集める
3765 ガンホーオンラインエンターテイメント プライム 75.5円
(2008年10月20日)
3,334円
達成理由:スマホゲームが大ヒットし、業績が拡大
6323 ローツェ プライム 9.9円
(2008年12月25日)
2,240円
達成理由:半導体向けのウエハーやガラス基盤の搬送装置を製造。半導体製造にかかせない製品を作る企業であり、半導体需要の高まりを受け注目を集める。
2379 ディップ プライム 32.2円
(2011年3月17日)
2,616円
達成理由:人材不足が深刻な社会問題の中、人材紹介事業が奏功。東証1部指定を契機に、認知度が高まり業績拡大の期待が高まる。
7564 ワークマン スタンダード 103.1円
(1999年5月21日)
3,965円
達成理由:工事現場などガテン系の働く人の洋服を取り扱うイメージを払拭し、カジュアルウェアとして若者やオシャレ女子などを取り込みイメージアップしたことで業績が拡大。
9560 プログリット グロース 221.7円
(2022年12月26日)
1,074円
英語コーチングサービス。サッカー選手の本田圭佑氏からの出資も話題に。

*株価は修正済み株価

米国の銘柄

テスラ(TSLA

電気自動車(EV)の需要の高まりから注目を集める

ネットフリックス(NFLX)

世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、自宅で過ごす人々の需要を取り込む

Amazon.Com(AMZN)

消費者の行動理解を踏まえたネット通販事業や自社物流網が奏功した。

ドキュサイン(DOCU

電子契約書などを提供しており、新型コロナの影響から需要を伸ばす。売り切り型ではなくサブスクリプション型で業績も拡大。

ズーム(ZM)

新型コロナの拡大を受け、オンライン商談、会議や授業など需要が拡大した。

テンバガーの特徴とは

ここではテンバガーの特徴をみていきましょう。

企業業績が急成長している

テンバガーとなる銘柄は基本的に業績が拡大しています。市場が予想した以上に決算が良好だったり、発表した新商品が画期的でこの先の成長が感じられたり市場が好意的に受け取るケースが多いです。

大きなキャピタルゲインが狙える

テンバガーは大きなキャピタルゲインが狙えます。100万円で買った銘柄が10倍以上、1000万円になるわけです。株価が10倍以上に成長すれば、資産も大きく成長します。ただ、利益確定のタイミングには注意が必要です。テンバガーを達成した銘柄でもその後、株価が下落することもあります。

キャピタルゲインに関連しては、課税面で大きな変化がありました。24年1月に新しくなった少額投資非課税制度(NISA)で、売却益が非課税となる期間が無期限に変更となりました。旧NISAの非課税期間は、一般NISAが5年間、つみたてNISAは20年間でした。株式投資の値上がり益には通常約20%の税金がかかりますが、新NISAの口座では、生涯非課税の枠内であれば保有期間に関係なく非課税で運用することができるようになりました。

テンバガーまでの達成に時間がかかる

テンバガーとなる期間は銘柄によって様々です。2021年にグローバルウェイ(3936)は半年程度でテンバガー銘柄となりました。相場のテーマや時流に乗って、半年や1年など短期間で達成する銘柄もありますが、多くは数年の年月をかけてテンバガーとなるケースです。もともとテンバガーとなりやすい銘柄は大型株というよりは、中小型銘柄が多いです。そのため、短期的には大きく値下がりするリスクもあります。

配当金がないケースがある

テンバガー銘柄は、配当金がなかったり、少ない傾向があります。テンバガー銘柄の多くは、中小型株が多いです。上場したてだったり、まさにこれから事業拡大し成長していく過程の銘柄が多いこともあり、配当というよりは事業投資にお金を使う段階であることが多いためです。

テンバガーに関する記事を参考にする

テンバガー銘柄を探すには情報を収集する必要があります。『QUICK Money World』ではテンバガーに関する記事や、株の動向に関する記事を掲載しています。

「テンバガー」の記事・ニュース一覧

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逆テンバガーにご注意

テンバガーは比較的短期間に株価が10倍以上に上昇することですが、逆に株価が1/10に下落する株もあります。そういった銘柄のことを逆テンバガーと呼びます。

アクセルマーク(3624)は、2015年の高値は6,240円でしたが、2016年に一時586円まで下落し逆テンバガーとなりました。東京電力ホールディングス(9501)は、東日本大震災前の2007年の高値は4,530円でしたが、震災後の2012年には一時120円まで下落しています。

逆テンバガーは株価が1/10になってしまいますが、株式投資は、空売りをすることで株価の下落時でも稼ぐチャンスはあります。空売りとは、信用取引の一つで、手元に持っていない株式を証券会社から借りて売り、決済期日までにその株式の買い戻しを行い、株式を証券会社に返し、その差額で利益を狙う取引です。

注意したいテンバガー狙いのリスク

テンバガー銘柄への投資はいくつかリスクもあるので注意しましょう。テンバガー銘柄は中小型株が多く、大型株と比較すると価格の変動幅が大きいです。必ずしも一本調子で短期間でテンバガーとなるわけではなく、テンバガーとなるまである程度時間がかかる可能性もあります。投資期間の値動きが大きくなる可能性があるので注意しましょう。また、事業に資金をまわす段階である成長企業であることが多いため、配当が少なかったり配当がないケースもあります。

 

まとめ

テンバガーは株価が10倍以上に上昇することです。大きく稼げるチャンスです。テンバガーを狙う時は、情報を集めしっかりと分析やチャートを確認しましょう。

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著者名

QUICK Money World 辰巳 華世

2003年にQUICKに入社後、15年間勤務。約5年にわたり日本経済新聞社、日経QUICKニュース社(NQN)にて記者職に就く。QUICK退社後、フリーランスライターとして2020年より「QUICK Money World」に寄稿。


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