【QUICK Money World 辰巳 華世】2025年1月のマーケットでは、20日に就任するドナルド・トランプ大統領の政策や日米の金融政策に注目が集まります。
10日に24年12月の米雇用統計が発表されます。根強いインフレリスクがある中、米連邦準備理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で一つずつ経済指標を確認しながら景気動向を見極めていく方向です。
前回12月のFOMC後の記者会見でパウエル議長は労働市場について「インフレ圧力を大きく高める要素にはならない」としつつも「堅調を維持している」と足元の景気がしっかりしている認識を示しています。
20日にドナルド・トランプ氏が大統領に就任します。トランプ次期政権では関税の引き上げなどの政策を打ち出す見通しです。関税引き上げはインフレ圧力につながるとの見方が強く米国のインフレリスクが再び高まる可能性があります。また、トランプ氏はFRBの金融政策に関して、大統領が発言権をもつべきであると発言した経緯があり、トランプ政権がFRBの独立性を揺るがすのではないかと警戒されています。
28日・29日にFOMCが開催されます。1月のFOMCでは政策金利の据え置きを見込む声が多いです。前回24年12月のFOMCでFRBは利下げしました。25年の政策金利見通し(ドットチャート)で示される利下げ回数が9月時点の4回から2回に半減したことで、25年の利下げペースが鈍化するとの見方が市場では広がっています。
日銀は23・24日に金融政策決定会合を開催します。前回12月の会合で日銀は利上げを見送っており1月の政策決定が注目されますが、早期の利上げ観測は後退しています。日銀の植田和男総裁は、前回の利上げ見送りの根拠の一つに次期米政権の経済政策の不確実性を挙げました。ドナルド・トランプ大統領の就任は20日とスケジュール的にタイトであり、米経済政策を見極めた上で金融政策を判断するにはもう少し時間が必要となりそうです。
25年の取引開始となる大発会は1月6日(月)となっています。例年は1月4日が大発会ですが、25年は4日が土曜日なので6日月曜日が25年の取引開始日となります。
年初に今年1年の運用計画を考える人は多いと思います。1月は、特に新NISA(少額投資非課税制度)を利用した投資を考える絶好の機会です。新NISAの「年間投資枠」は1月から12月までが区切りのため、2024年の投資枠を使い切った人も、1月からは再び非課税での投資が可能になります。
<2025年1月のマーケットイベント>
日付 | 内容 |
1月6日 | 大発会 |
1月10日 | 米雇用統計(2024年12月分) |
1月20日 | ドナルド・トランプ大統領就任式 |
1月23・24日 | 日銀金融政策決定会合 |
1月28・29日 | FOMC(米連邦公開市場委員会) |
1月29日 | 1月末を基準日とする銘柄の権利付き最終売買日 |
1月30日 | 1月末を基準日とする銘柄の権利落ち日 |
1月30日 | 欧州中央銀行(ECB)理事会 |
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