24日の米株式市場で主要株価指数のダウ工業株30種平均が大幅に5日続落し、前日比424ドル56セント(1.73%)安の2万4024ドル13セントで終えた。10年物の米国債利回りが3%の大台に乗せたことから、長期金利の急激な上昇を警戒し、幅広い銘柄に売りが出た。
1~3月期決算を発表した米建機大手キャタピラーが6.20%安、米工業製品大手スリーエム(3M)が6.83%安と急落したのも響いた。ダウの下げ幅は一時619ドルに達した。
ダウの値下がり寄与度のトップは3Mで、101ドルほどの押し下げ要因となった。1~3月期決算の発表とともに通期の1株利益(EPS)の予想を引き下げたため、失望売りが膨らんだ。一時は196.89ドルまで下げ、2017年5月22日以来11カ月ぶりの安値圏に沈んだ。決算説明会で「エネルギー価格の上昇が輸送や原材料コストを押し上げている」として先行きに慎重な見方が示された。
キャタピラーとともに原材料コストを収益圧迫要因に挙げたことで、ボーイングなど決算を控えた他の資本財株にも売りが波及。3M、ボーイング、キャタピラーだけでダウを234ドルほど押し下げる要因となった。
この日のダウ採用銘柄は値下がり24、値上がり6で軒並み安の展開だった。値上がり寄与度トップはベライゾンで6ドルほどの下支え要因となった。(片平正ニ、伊藤央峻)
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