テスラ騒動は、ひとまず週末で「話が付いた」形にはなったが、悪路はまだまだ続きそうだ。
9月28日の米国市場で電気自動車(EV)大手のテスラが大幅続落。13.90%安の264.77ドルで終え、一時は260.555ドルまで下げて7日以来の安値圏に下げた。
27日夕、米証券取引委員会(SEC)がイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)をNY州南部連邦地裁に証券詐欺罪で提訴したと各メディアが伝えた。マスク氏は8月7日に「420ドルで非公開化を検討、資金面の話は付いている(Funding Secured.)」とツイッターでつぶやき、突如株式非公開化の計画を明らかにしたが、その後撤回。
SECは訴状で、マスク氏に民事制裁を求めたうえ、マスク氏がテスラや公開企業の役員、取締役となることを禁止するよう求め、カリスマ経営者がテスラを去るのではないかとの警戒感が高まって27日の時間外取引でも通常取引終値比で13%超の急落となっていた。
その後の29日、SECはテスラと和解したと発表した。テスラのマスク氏は会長を辞任しつつCEOを続けるが、個人と会社がそれぞれ2000万ドルを支払うことで合意。提訴から2日でのスピード決着となった。
RBCキャピタル・マーケッツは30日付の「和解で話を付けた」(Settlement Secured)と題するリポートで「今回の和解はイーロン・マスク氏、テスラ、そして究極的には株主にとってポジティブになるとみている。ファンダメンタルに関心が向かうだろう」と指摘した。(片平正ニ)
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