QUICK企業価値研究所は7日、主要261社(金融除く)の2018年度の企業業績見通しを発表した。18年度の連結営業利益は、17年度予想比で9.0%増の35兆8013億円を見込む。世界経済の影響を受けやすい製造業が好調を持続する一方、内需系業種の収益がやや伸び悩む見通しだ。
18年度の連結売上高は3.0%増の410兆2004億円、経常利益は10.1%増の37兆5291億円、純利益は9.6%増の24兆8642億円を見込む。前提となる為替レートは1ドル=113円、1ユーロ=130円。世界景気の拡大が継続するなか、製造業中心に順調に業績改善が進む見込みで、業種別の営業利益は、金融を除く19業種中全業種で増益を予想。前回予想との比較では、19業種中、食品、医薬品、電力・ガス、小売、サービスを除く14業種で増額修正となった。
業態別では製造業で11.4%の増益、非製造業は5.4%の増益を見込む。製造業は加工型で同11.4%増、素材型が同11.6%増、その他製造業が同11.0%増を予想する。加工型3業種は、機械(同16.8%増)が鉱山機械、空調機器、FA関連など幅広い分野の伸長で業績は続伸の見込み。電機・精密(同12.6%増)は車載関連の伸長、半導体製造装置の息の長い拡大などを中心に全般的に業績拡大が継続する見通し。自動車(同8.8%増)は、アジアを中心とする販売台数増、原価低減の推進などが増益に寄与する見通し。
素材型では、鉄鋼が同29.6%増と17年度に続き大幅増益を予想。東京五輪(20年開催予定)関連のインフラ投資、高級自動車鋼板など内外の鋼材需要の伸長が寄与する見込み。非製造業は全般的に着実な利益増を見込むが、内需系業種で人件費増などコスト負担が膨らむ厳しい事業環境が続く見通し。
17年度の連結企業業績は(金融除く全産業261社ベース)、売上高が前年度比5.4%増の398兆2537億円、営業利益が同13.0%増の32兆8338億円、経常利益が同14.2%増の34兆711億円、純利益が同14.3%増の22兆6848億円の見通し。予想の為替前提は、1ドル=113円(前回の想定を据え置き)、1ユーロ=130円(同128円)とした。
業種別の営業利益は、金融を除く19業種中、電力・ガス、紙・パを除く17業種で増益を予想。電力・ガスは原油高による原燃料価格の上昇、神戸鋼(5406)の検査データ改ざん問題などが影響する見込み。前回(8月末時点)予想との比較で増額修正幅が大きかったのは、電機・精密、石油、化学、建設・不動産、商社、情報・通信など。