製造業DIは低下するも、全産業DIは6カ月連続で改善
アナリストによる主要企業の業績予想の変化を示す「QUICKコンセンサスDI」(2017年3月末時点)は、金融を含めた全産業ベースでプラス30となり、前月から3ポイント上昇しました。6カ月連続の改善です。製造業DIがプラス47で前月から2ポイント低下しましたが、非製造業DIがプラス7で前月比4ポイント上昇し、金融がプラス29で前月比18ポイント上昇したことで、全体を押し上げました。
製造業にやや弱気の見方増える
次に業種別に見てみましょう。算出対象の16業種中でDIがプラス(上方修正銘柄が下方修正銘柄を上回る)だった業種は14業種。一方、マイナス(下方修正銘柄が上方修正銘柄を上回る)の業種は1業種、変わらずは1業種でした。
製造業は縮小傾向で特に鉄鋼や化学、自動車関連の輸送用機器に対してやや弱気な見方が増えています。半面、非鉄金属の改善が顕著でした。非製造業はプラス幅が拡大。金融セクターで上昇期待が高まり、サービスではマイナス幅が縮小しました。
<製造業・業種別QUICKコンセンサスDI>
食料品 化学 医薬品 鉄鋼 非鉄 機械 電機 輸送用
金属 機器
17年3月 5 54 12 71 100 57 56 64
17年2月 0 62 -12 83 80 60 75 83
17年1月 15 22 0 0 57 20 61 60
<非製造業・金融業種別QUICKコンセンサスDI>
<対象> 建設 情報・ 卸売 小売 不動産 サービス 銀行 その他
通信 金融
17年3月 20 8 60 3 18 -27 21 0
17年2月 29 0 60 12 27 -45 7 0
17年1月 53 8 40 11 33 -34 0 0
郵船が大幅上方修正との予想
銘柄数の内訳は「強気」銘柄は168銘柄、「変化なし」は173銘柄、「弱気」銘柄は51銘柄になりました。3カ月比で純利益の上方修正率、下方修正率が大きな銘柄の上位5銘柄をそれぞれピックアップすると、下記のようになります。
純利益の上方修正率が最も大きかった銘柄は日本郵船。一方、下方修正率が大きかった1位のサイバーダインと2位のNECは前回から順位が入れ替わりましたが、4位のLINEは変わらずと、上位5銘柄中3銘柄が再び顔を並べる結果となりました。
<上方修正率の大きい銘柄>
1位 郵 船(9101)・・・・・・・・・324.48%
2位 商船三井(9104)・・・・・・・・135.29%
3位 東 芝(6502)・・・・・・・・・ 70.49%
4位 JFEHD(5411)・・・・・・・ 58.93%
5位 SUMCO(3436)・・・・・・・55.02%
<下方修正の大きい銘柄>
1位 サイバーダイン(7779)・・・・・ ▲42.11%
2位 NEC(6701)・・・・・・・・・▲38.24%
3位 太陽誘電(6976)・・・・・・・・▲27.53%
4位 LINE(3938)・・・・・・・・▲22.39%
5位 アシックス(7936)・・・・・・・▲18.92%