アナリストによる主要企業の業績予想の変化を示す「QUICKコンセンサスDI」(6月末時点)は、金融を含めた全産業ベースで前月比4ポイント悪化のプラス5でした。特に金融セクターに対する弱気の見通しが増加し、指数全体を押し下げました。
情報・通信は唯一マイナス幅縮小
次に業種別に見てみましょう。算出対象の16業種中でDIがプラス(上方修正銘柄が下方修正銘柄を上回る)だった業種は7業種。一方、マイナス(下方修正銘柄が上方修正銘柄を上回る)の業種は6業種、変わらずは3業種でした。
製造業では化学が前月比で19ポイント低下し、非鉄金属、鉄鋼なども軒並み低下しました。非製造業では、不動産が前月比で23ポイント低下しました。また、銀行も前月比で22ポイント悪化のマイナス22になるなど、ほとんどの業種が低下。一方、情報・通信は唯一マイナス幅が縮小しました。
<製造業・業種別QUICKコンセンサスDI>
食料品 化学 医薬品 鉄鋼 非鉄 機械 電機 輸送用
金属 機器
17年6月 -6 31 12 0 42 25 12 -38
17年5月 -7 50 19 17 60 26 16 -42
17年4月 0 44 12 33 100 63 41 28
<非製造業・金融業種別QUICKコンセンサスDI>
建設 情報・ 卸売 小売 不動産 サービス 銀行 その他
通信 金融
17年6月 39 -9 0 -16 27 -10 -22 0
17年5月 50 -24 15 -12 50 -5 0 0
17年4月 38 0 56 -12 10 -13 14 25
ニチイ学館の上方修正の期待大きい
個別銘柄では「強気」が122銘柄、「変化なし」が153銘柄、「弱気」が102銘柄になりました。3カ月比で純利益の上方修正率、下方修正率が大きな銘柄の上位5銘柄をそれぞれピックアップすると、下記のようになります。
純利益の上方修正率が最も大きかった銘柄は、ニチイ学館でした。先月5位だったANAが3位に、4位だったネットワンは変わらずで、ランクインしました。一方、最も下方修正率が大きかったのは、4カ月連続でサイバーダインとなりました。
<上方修正率の大きい銘柄トップ5>
▽3カ月前比で純利益の上方修正率の大きい銘柄上位(6月30日時点)
コード 銘柄名 予想純利益 修正率
6月末 3月末
1 9792 ニチイ学館 2,520 944 166.95
2 6967 新電工 3,820 2,735 39.67
3 9202 ANA 127,640 94,242 35.44
4 7518 ネットワン 4,247 3,362 26.32
5 6305 日立建 22,771 18,189 25.19
<下方修正率の大きい銘柄トップ5>
▽3カ月前比で純利益の下方修正率の大きい銘柄上位(6月30日時点)
コード 銘柄名 予想純利益 修正率
6月末 3月末
1 7779 サイバダイン 22 323 -93.19
2 7752 リコー 8,390 20,187 -58.44
3 4565 そーせい 2,729 5,596 -51.23
4 9101 郵 船 8,878 16,610 -46.55
5 3099 ミツコシイセタン 10,925 18,544 -41.09
※最終赤字の銘柄は除く。直近3カ月前とも5社以上のアナリストが業績予想を出している銘柄が対象。
単位は純利益が百万円、修正率は%