アナリストによる主要企業の業績予想の変化を示す「QUICKコンセンサスDI」(7月末時点)は、金融を含めた全産業ベースで前月比4ポイント改善のプラス9でした。非製造業と金融セクターに対する強気の見通しが大幅に増加し、指数を押し上げました。
製造業が弱気の見通しも、非製造業、金融は軒並み上昇
次に業種別に見てみましょう。算出対象の16業種中でDIがプラス(上方修正銘柄が下方修正銘柄を上回る)だった業種は10業種。一方、マイナス(下方修正銘柄が上方修正銘柄を上回る)の業種は3業種、変わらずは3業種でした。
製造業では食料品がマイナス6からゼロまで改善しましたが、鉄鋼がゼロからマイナス25まで低下し、非鉄金属も前月比22ポイント低下するなど、軒並み低下しました。一方、非製造業では、不動産が前月比17ポイント低下したものの、卸売が前月比30ポイント、小売は同24ポイント上昇し、金融でも銀行が同30ポイント、その他金融は同67ポイントの大幅上昇となりました。
2カ月連続トップのニチイ学館 上方修正期待強まる
個別銘柄では「強気」が121銘柄、「変化なし」が134銘柄、「弱気」が90銘柄になりました。3カ月比で純利益の上方修正率、下方修正率が大きな銘柄の上位5銘柄をそれぞれピックアップすると、下記のようになります。
純利益の上方修正率が最も大きかった銘柄は、2カ月連続でニチイ学館でした。先月3位だったANAも5位にランクインしました。一方、最も下方修正率が大きかったのは、5カ月連続でサイバーダインとなりました。
<上方修正率の大きい銘柄トップ5>
▽3カ月前比で純利益の上方修正率の大きい銘柄上位(7月31日時点)
コード 銘柄名 予想純利益 修正率
7月末 4月末
1 9792 ニチイ学館 2,520 944 166.95
2 6502 東 芝 411,558 241,477 70.43
3 6753 シャープ 48,749 33,652 44.86
4 2503 キリンHD 116,180 80,590 44.16
5 9202 ANA 133,040 94,242 41.17
<下方修正率の大きい銘柄トップ5>
▽3カ月前比で純利益の下方修正率の大きい銘柄上位(7月31日時点)
コード 銘柄名 予想純利益 修正率
7月末 4月末
1 7779 サイバダイン 22 213 -89.67
2 6816 アルパイン 1,757 4,229 -58.45
3 9101 郵 船 8,420 16,998 -50.46
4 4565 そーせい 3,082 5,436 -43.30
5 3099 ミツコシイセタン 11,111 18,369 -39.51
※最終赤字の銘柄は除く。直近3カ月前とも5社以上のアナリストが業績予想を出している銘柄が対象。単位は純利益が百万円、修正率は%