1月下旬から国内の3月期決算企業の第3四半期(2017年4~12月期)決算発表が本格化する。今期の4分の3を終えて通期業績予想の確度も高まってくるころ。今期は中間決算の発表前後にすでに上方修正を発表しているケースも多いが、景気拡大が続く中で一段の業績改善が見込める企業もあるだろう。反対に事業環境の悪化に歯止めがかからず、下方修正に踏み切る企業が出てくることも考えられる。
業績の上振れや下振れの可能性を判断するにあたって大きな参考になるのが、通期計画に対する達成度合いを表す進捗率だ。例えば今期の4分の3が終了した第3四半期であれば、単純計算で75%の進捗率が一つの目安となろう。
もっとも業種や業態によっては上期に売上高が大きく増えたり、下期に偏る傾向があったりと傾向は異なる。そのため通期計画に対する絶対的な進捗率とは別に、過去の進捗率の平均と比較した際のかい離率も加味することで、より正確な業績の好不調ぶりの把握が可能になる。
QUICK端末のナレッジ特設サイト「進捗率ランキング」では、売上高および営業利益が過去6期の進捗率の平均から上方にかい離している順に銘柄を一覧できる。ランキング上位にある銘柄は通期業績の上振れ候補銘柄として注目できそう。業種別で絞り込んで同業の中で相対的に優位な銘柄を発掘することも可能だ。
たとえば売上高進捗率を全業種、日経平均採用銘柄で絞り込むと、東急不動産ホールディングス(3289)やIHI(7013)、ミネベアミツミ(6479)が上位に顔を出す(いずれも17年4~9月期時点)。東急不はビルの売却益や賃貸が好調だ。IHIは液化天然ガス(LNG)船向けタンクが復調、ミネベアミツミは自動車やゲーム部品の需要が伸びており、進捗率を伸ばした。
小型株の場合、売上高や営業利益の水準自体が小さいために進捗率の振れが大きく、稼ぐ「実力」に関係なくランキングの上位に入りやすい点は注意が必要だ。一覧に表示してある時価総額も併せてチェックしておきたい。ランキングの対象は日経平均採用銘柄以外にTOPIX(東証株価指数)採用銘柄、TOPIX以外などでも絞り込める。
【QUICKナレッジコンテンツグループ・内山佑輔】