フェイスブックが31日(日本時間2月1日午前7時)に2017年10~12月期決算を発表する。QUICK FactSet Workstationによると、26日時点の市場の予想EPS(1株利益、Non-GAAP)は前年同期から47%増の2.07ドル。7~9月期の売上高は四半期ベースとして初めて100億ドルの大台に乗せており、10~12月期も引き続き広告収入の伸びがけん引して過去最高を更新するもようだ。
【フェイスブックの17年10~12月期決算に対する市場予想】
・売上高 :125億3100万ドル(42%増)
・広告売上高 :123億7000万ドル(43%増)
・うち携帯向け広告 :109億2900万ドル(51%増)
・1株利益(EPS) :2.07ドル(47%増、Non-GAAP)
1.94ドル(60%増、GAAP)
(注:増加率は対前年同期)
フェイスブックの株価とEPS予想値の推移
(注)グレーの折れ線は株価、水色の棒グラフはEPS予想の最高値、青色は最安値、緑色の●はEPS実績値をそれぞれ示す
同社の広告収入は9割程度が携帯端末向けだが、月間利用者数は20億700万人だった7~9月期からさらに伸び、21億人に達した可能性が高い。前年同期と比べても15%ほど増加したとみられる。写真共有アプリ「インスタグラム」も一段と存在感を放っている。
【月間アクティブユーザーと日次アクティブユーザーの推移】
MAU DAU
15年 1~3月期 14.4(13%) 9.3(17%)
4~6月期 14.9(13%) 9.6(17%)
7~9月期 15.4(14%) 10.0(17%)
10~12月期 15.9(14%) 10.3(17%)
16年1~3月期 16.5(15%) 10.9(16%)
4~6月期 17.1(15%) 11.2(17%)
7~9月期 17.8(16%) 11.7(17%)
10~12月期 18.6(17%) 12.2(18%)
17年1~3月期 19.3(17%) 12.8(18%)
4~6月期 20.0(17%) 13.2(17%)
7~9月期 20.7(16%) 13.6(16%)
10~12月期 21.3(15%) 14.1(15%)
(注)単位は億人、カッコ内は前年同期比の増加率、17年10~12月期は市場予想
同社は11日に閲覧画面の表示を変更する方針を明らかにした。従来に比べて友人や家族の投稿を企業の広告などよりも、ニュースフィードと呼ばれるSNSのトップページ上に優先的に表示するという。企業からの広告収入が大幅に減りかねないとの思惑から、この発表を受けて同社株は大幅安に沈んだ経緯がある。19日には信頼に値するニュースを優先して表示する仕組みを導入し、メディアを格付けする考えも公表した。メディア界の重鎮であるルパート・マードック氏は、ニュースの掲載料を払うべきだと批判している。
もっとも、市場ではフェイスブックのこうした方針転換が短期的に同社収益に悪影響を及ぼすことがあっても、長期的にはマイナスではないとの見方が優勢だ。RBCキャピタル・マーケッツは「交流サイトの性格を強めてメディア色を弱めるのは大多数のユーザーにとってはポジティブなはずだ」と指摘。「時間が経過するにつれて、ユーザーの伸びに寄与していく」とみる。偽ニュースを排除することでフェイスブックのサービスの信頼性向上につながるれば、長い目でみてユーザーの獲得に貢献するとも考えられる。
(QUICK エクイティコメント)
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