パイオニア(6773)は9日の取引時間終了後、2018年3月期の連結最終損益が30億円の赤字(前期は50億円の赤字)になりそうだと発表した。為替差損などが重荷になり、従来予想の35億円の黒字から一転して赤字に沈む。主力のカーエレクトロニクス製品の販売が伸び悩み、営業利益は従来予想の半分の50億円(前期比20%増)に引き下げた。売上高は3700億円(前期比4%減)と従来予想から100億円の下方修正となった。
併せて発表した2017年4~12月期決算は、連結最終損益が55億円の赤字(前年同期は30億円の赤字)、売上高が前年同期比6%減の2708億円だった。
決算や業績予想修正による株価インパクトを統計的に数値化したQUICKの「決算スコア」は、17年4~12月期決算についてマイナス4.72、業績予想の引き下げについてもマイナス2.12とネガティブに評価した。
QUICK端末のナレッジ特設サイトで利用できる「決算スコア」は、決算や業績予想修正の発表が株価に与える影響を過去データから統計的に解析・評価し、株価の変化率を推測する参考指標だ。例えば、ある決算発表に対してスコアがプラス1.00であれば、過去データに基づいて「この決算内容であれば、平均的に株価は1%上昇する」と評価したことを意味する。
パイオニア株は9日夕の私設取引で急落している。SBIジャパンネクスト証券が運営する私設取引システム(PTS)で、15時半前には同日の東証終値を37円(17%)下回る183円を付けた。