「ホクト=きのこ」を認知してもらうため株主優待を開始

左から広報・IR室 前田室長、竹前氏
ホクトは、1994年11月に株式を店頭登録した(現在は東証一部上場)。株主優待制度は1995年から導入しており、グループ製品詰め合わせセットとして数種類のきのこを提供してきた。当時はまだホクトがきのこをつくっている会社であることがあまり知られておらず、知名度が低かった。まずは株主に商品を味わってもらい、しっかりと認知してもらいたいということで、株主優待制度を始めた。きのこは収穫したものを翌日に配送しており、新鮮さを提供している。
2002年には、きのこ組が出演するTVCMを開始。「おいし~い きのこはホ・ク・ト!」のフレーズで知られているあのCMにより、ホクトの知名度は一気にアップした。
2017年3月からは、株主優待品を株主が3種類(健康セット、レトルトセット、きのこ・レトルトセット)から選択できるようにした。事業は2013年にレトルトパウチ食品製造のアーデンを子会社化し、レトルトカレー・炊き込みご飯の素など、自社できのこの加工食品の製造・開発をはじめている。これらの商品を株主優待品として提供することで、株主へのアピールを計っている。
現在の株主数は、38,475人(2018年3月末)。株主からは、長期保有優遇制度の導入要望が寄せられており、「長期保有優遇制度や、保有株数に応じた優待設定は、今後の検討課題」(広報・IR室 前田哲志室長)という。
台風19号で千曲川堤防の決壊による影響

自社商品といっしょに
2019年10月の台風19号で、ホクトの赤沼きのこセンター、きのこ総合研究所シイタケ栽培研究施設および子会社であるホクト産業株式会社の豊野工場が浸水した。建屋に対する影響はそれほどなかったが、建物の内部に泥水が入り生産工程は大打撃を受けた。10月31日時点では、復旧の見通しはまだ立っていない。
きのこを生産していた赤沼きのこセンターは、1日10万パックを出荷していた。きのこは、培養期間に30日、生育に14~15日ほどかかり、収穫まで45日ほど必要だ。生育中のきのこは14日分あったが、すべて水没した。また、培養中のきのこ30日分は2階にあったため水没は免れたが、停電で温度管理や湿度管理ができなくなり、廃棄することになった。今は、泥だらけになった工場内の洗浄を進めているところだという。
ホクトは全国に32工場を持っているが、これほど大きな水害は初めての経験。ホクトのエリンギは全国シェアの約半分を握る。ホクトの生産量は年間18,000トンで、うち3000トンを赤沼きのこセンターが担っていた。工場復旧の見通しがたたないなか、エリンギの品不足が当面続く見通しだ。秋はきのこの需要は高まる時期であり、きのこ価格への影響は避けられないようだ。
株主は女性の比率が高く、きのこ好きが多い

企業ロゴといっしょに
ホクトの株主は、男女構成で他社と比較して女性の比率が高い傾向がみられるという。「きのこは、体に良い食品です。90%が水分なのでカロリーが低く、また繊維質が豊富なので腸内環境を整えるのに適しています。ビタミンも豊富です。そのため女性に人気が高いと考えています」(前田室長)。株主優待品の人気は高く、家族ぐるみでホクト株を保有しているケースが少なくないようだ。
ホクトの強みは独自の研究開発
ホクトのきのこ総合研究所では、バイオテクノロジーによるきのこの新品種開発ときのこの新利用研究を行っている。1986年、光に充てても傘や柄が着色しないエノキダケを開発したことにはじまり、ブナシメジ・エリンギ・マイタケなどの新種を開発してきた。学会ではたびたび、きのこに関する研究発表もしている。
「ホクトはきのこ生産工程で問題が発生すると、きのこ総合研究所が現場にすぐ飛び原因究明をおこないます。そのため、不良品率が小さいです。全国のどこの生産工場でも、高品質の商品を大量生産できるようになっているのも、きのこ総合研究所が迅速に対応するからです。また、工場から近くの消費者に商品を供給することで、ご家庭に鮮度の高いきのこを提供することができています」(前田室長)。
台風19号からの復旧という課題に取り組みつつ、ホクトはきのこファンの株主を虜にしているようだ。

株主優待品のイメージ
≪対象株主≫
毎年3月31日現在の株主名簿に記載されている1単元(100株)以上保有の株主
≪優待内容≫
100株以上 下記より1点選択
(A)健康セット
(アガリクスドリンク等詰合せ)
(B)レトルトセット
(レトルトカレー、炊き込みご飯の素等詰合せ)
(C)きのこ・レトルトセット
(きのこ数種類、レトルトカレー等詰合せ)
※優待製品は都合により変更する場合がある。
≪発送時期≫
毎年、10~11月を予定。
主にブナシメジ、エリンギ、マイタケを生産販売。本社を長野県長野市に置き、各地に生産工場であるきのこセンターを有する。
海外では台湾、米国、マレーシアに拠点を置いており、北米での販売拡大やアジア市場の開拓などを推進している。きのこの生産販売だけでなく、新品種・改良品種の研究開発、きのこ栽培資材・食品向け包装資材の製造なども行う。同社オリジナル商品に白いブナシメジ「ブナピー」がある。なお、きのこの需要期は秋・冬のため、例年3Qに売上高・利益が偏重する傾向にある。
<売上構成>(19/3期連結、外部顧客への売上高): 国内きのこ事業67%、海外きのこ事業7%、加工品事業(レトルトパウチ食品など)11%、化成品事業(包装資材、農業資材の製造・販売)15%。
1964年、設立。68年、きのこ栽培用のポリプロピレンビンの製造を開始。72年、ホクト産業に商号変更。86年、えのきたけ新品種ホクトM-50を開発。93年、福岡県に八女きのこセンターを設置。2003年に商号をホクトに変更。06年に米国、08年に台湾、12年にマレーシアに子会社を設立。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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