QUICKコメントチーム=大野弘貴
写真上=Chesnot/Getty Images,下=Spencer Platt/Getty Images
週明け月曜日にはM&A(合併・買収)案件が相次いでまとまる、いわゆる「Merger Monday(合併の月曜日)」。25日の米株式市場は、それを地で行く展開になり、刺激されてダウ平均株価が史上最高値を更新した。
主役の一つは宝飾大手のティファニー。大幅反発し、前週末比6.16%高の133.25ドルで終えた。
25日に仏LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンの1株=135ドルでの買収提案を受け入れると発表した。総額は約160億ドル(約1兆7600億円)に達し、来年中ごろまでに完了予定とのこと。当初、LVMHはティファニーに対し1株=120ドルでの買収を提案していたが、価格が低いことを理由にティファニーはLVMHの買収提案を拒否していた。
LVMHは11年にイタリアの高級宝飾ブランドのブルガリを買収し傘下のブランドに加えるなど、規模拡大を進めている。
さらにネット証券大手のチャールズ・シュワブも同業のTDアメリトレード・ファイナンシャルを260億ドルで買収すると発表。この2社だけで約420億ドルのM&A案件になる。日本円にして約4.5兆円。ダイキン工業や三菱商事まるまる1社分に相当する。「合併の月曜日」は、さしずめMega Merger Mondayにふさわしい感じだ。
日本でもM&Aは相場のテーマだ。旭化成が米製薬会社を1432億円で買収すると発表したほか、日立製作所はグループ御三家の一角、日立化成の売却に動く。日立化成のM&Aは9000億円規模になるとの見方も出ており、2つの「化成」あわせて1兆円を超える規模になる可能性もある。もちろん、海の向こうのMega Merger Mondayとのダイナミズムの彼我の差は如何ともしがたいものがあるが。
※QUICK Market Eyes®はトレーダーやディーラー、運用担当者の皆さまに向けたQUICK独自のマーケット・コメントサービスです。日米の個別株から債券を含めた先物市場まで幅広くカバー。証券会社や機関投資家など運用・調査の現場への取材を通じて得た専門性の高い金融情報を提供します。