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「暴れる鯨」で波高し 1万ドル台定着できないビットコイン

日経QUICKニュース(NQN)=尾崎也弥

「鯨がまた暴れた」――。上昇を続けるかにみえたインターネット上の暗号資産(仮想通貨)ビットコインが16日ににわかに売り込まれた。5月に控える半減期を材料にした買いで前週はあっさりと1ビットコイン=1万ドル台に乗せたが、海外交換会社を通じた大口投資家、業界でいう「鯨」の売りによって定着はかなわなかった。

■荒れ相場で登場する「大物」の名前

ビットコインは13日、昨年秋以来の水準となる1万500ドル近辺まで順調に上値を伸ばした。その流れが逆転したのが日本時間の16日未明。突如1万ドルを割り込んだ。市場では「海外交換会社でのまとまった売りが買い持ちを積み上げていた投資家の投げ売りを誘い、相場の急落につながった」との解説が多い。

「鯨」の正体は定かではないが、有力視されているのは香港の大手交換会社ビットフィネックス経由の売り注文だ。ビットフィネックスといえば昨年春から6月にかけて、ビットコインが1万3000ドル台まで上昇した局面で、主要コインの1つであるテザー(USDT)に絡むビットコイン買いで相場上昇を演出したと目されている。その後の調整時にもビットフィネックス発の売り観測が出るなど、相場が荒れるときには決まって名前が挙がる「大物」だ。

ビットコインは5月に採掘の報酬が半分になる4年に1度の半減期を迎える。市場に出回るコインの量が減り、需給が引き締まることからビットコインの買い材料とみなされてきた。ビットフィネックスかどうかはともかく、多額の資金を動かせる交換会社が前のめりで飛びついたとしても不思議ではない。だが、決済需要などがなく市場に厚みがないビットコインには常に逆回転の危うさがつきまとう。

■仮想通貨全体に占めるシェア6割強に低下

ビットコインの売買代金は昨年6月の水準を明確には超えられずにいる。商いは低調のままだ。

ビットコインが仮想通貨全体の時価総額に占めるシェアは66%程度あった2月初旬からじりじり低下し、16日には61%程度まで下がった。これは同じ期間中にビットコインキャッシュなど流動性の低いオルトコイン(ビットコイン以外のコイン)が急伸したからだ。足元ではオルトの方の下げがきつくなり、ビットコインのシェアも戻ってきている。数だけは5000超と多いが市場規模は極めて小さいオルトにビットコインが振り回されてしまう足元の状況は、「ビットコイン1強」だった数年前とは様変わりしたことを改めて意識させる。

ビットコインの半減期ラリーはまだ終わっていないとの声も多い。だが鯨が少しでも心変わりすれば16日と同様の事態がまた生じ得る。特に商いが薄い土日や日米の祝日を狙った相場の急変動はこれまでも何度も起きている。市場では「規制当局から健全性を問われる一因になりかねず、ビットコインの上場投資信託(ETF)実現もさらに遠のきかねない」(ビットバンクの長谷川友哉マーケット・アナリスト)との嘆きが聞こえてきた。

※日経QUICKニュース(NQN)が配信した注目記事を一部再編集しました。QUICKの情報端末ではすべてのNQN記事をリアルタイムでご覧いただけます。

著者名

日経QUICKニュース(NQN) 尾崎 也弥


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