日経QUICKニュース(NQN)=長田善行
世界的な株安の連鎖で個人投資家の懐具合が痛んでいる。松井証券によると、同社の顧客のマザーズ市場での信用評価損益率(信用取引で買った株式の含み損益)は27日時点でマイナス28.96%と、2018年12月以来、1年2カ月ぶりの低水準に下落した。逆張り志向が強い個人投資家は、週初の相場の急落局面で押し目買いを入れたものの、その後も株安に歯止めが掛からず、評価損が膨らんだとみられている。
マザーズ連日の大幅安、武漢封鎖から2割下げ
28日の新興企業向け株式市場で、東証マザーズ指数は連日で大幅安となっている。前日比で一時50.50ポイント(6.8%)安の697.07まで下落。新型コロナウイルスの感染拡大で中国政府が武漢市で事実上の都市封鎖に踏み切った1月23日終値と比べた下落率は2割に迫った。個人投資家による追加証拠金(追い証)の差し入れを回避する目的の売りも出ているようだ。
ワークマンにも売り、底入れの兆し見えず
28日の新興市場の個別銘柄では、ワークマン(7564)が一時9.5%安、ハーモニック(6324)が一時5%近く下げるなど、時価総額が大きな主力株に売り圧力が強まっている。松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「過去の相場の暴落局面の東証1部の売買高からみて、『セリング・クライマックス』が訪れたとは言いにくく、底入れの兆しはまだみえない」と指摘する。個人投資家による損失覚悟の売りが続くことへの警戒が高まっている。
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