QUICK企業価値研究所アナリスト 中村宏司(2020/03/31)
・20/3期は多額の減損損失の計上で最終赤字へ
企業価値研究所では20/3期の事業利益は400億円(前期比83%減)と従来予想を据え置いたが、減損損失2200億円程度を見込むことから、純損益は110億円の黒字→1950億円の赤字(前期は1635億円の黒字)と従来予想を下方修正した。鋼材需要の低迷が続くなど事業環境の変化を踏まえ、固定費負担の大きい東日本製鉄所の高炉1基を休止し、国内最適生産体制の構築に向けた構造改革を実施することが多額の減損損失を計上する背景である。
・21/3期以降は構造改革効果を見込み増益へ
21/3期以降は減損損失計上による固定費負担の減少、構造改革の実施によるコスト削減等により増益になるとみている。ただ、足元では新型コロナウイルスの感染者の拡大が続き、世界経済の先行きに不透明感が増していることから、今後の需要動向を見ながら必要に応じて業績予想を見直す予定である。
・3Q累計は鉄鋼事業の不振で事業利益は76%減
20/3期3Q累計の事業利益は前年同期比76%減の520億円。主力の鉄鋼事業の不振で大幅減益となった。
・リスクファクター ~高級鋼材需要動向や為替動向
・アナリストの投資判断 ~株価は上値の重い展開が続くと考える
株価指標面では20/3期3Q実績連結PBR0.23倍と割安な水準にある。ただ、新型コロナウイルスの感染者拡大により世界経済の先行きに不透明感が増していることから、当面の株価は上値の重い展開が続くと考える。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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