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東京電力ホールディングス(9501) 福島第一原発の燃料デブリ取り出しに係る費用の一部を特別損失に計上

QUICK企業価値研究所アナリスト 佐久間聰(2020/04/06)
 
・20/3期の純利益は災害特別損失などで66%減益
 会社側は3月30日、福島第一原発の燃料デブリ取り出しに係る支出のうち、取り出し準備等の作業費用3500億円を災害特別損失として計上するとともに、未定だった20/3期業績予想を公表。連結営業収益は前期比2%減の6兆1990億円、経常利益は同2%減の2700億円、純利益は同66%減の790億円を見込む。
 純利益は、災害特別損失などで20/3期の特別損益が1770億円の赤字と19/3期の182億円の赤字に対して赤字幅が膨らんだため、大幅な減益。
 企業価値研究所では、20/3期業績はほぼ確定したと考え、会社側の修正後予想と同額へ見直す。一方、続く21/3期の連結業績予想について、従来予想では原油CIF価格60ドル、為替108円を前提としていたが、足元の原油価格が暴落している状況を考慮し、一旦取り下げる。改めてレポートを作成したい。
 
・リスクファクター ~経営再建、電力改革など
 
・アナリストの投資判断 ~慎重なスタンスに変更はない
 直近の株価での実績PBRは過去10年間のレンジとの比較では東日本大震災があった11年3月を下回る最低水準。廃炉作業の見通しに対する不透明感が強いうえ、新型コロナウイルスのパンデミックなどで株式相場全体が大きく調整したことが響いている。廃炉作業は未だ不透明な状況と言え、当研究所では慎重なスタンスに変更はない。

 

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

佐久間 聰

シニアアナリスト

石油・鉱業および電力・ガスセクター担当


【プロフィール】
大学卒業後、証券会社に入社し、支店で営業職に従事。個人・法人顧客の開拓などに取り組む。その後、QBR(現QUICK企業価値研究所)調査部に転じてアナリスト職に就き、エネルギーセクターを中心に担当し、現在に至る。
営業職時代に個人投資家とプロである機関投資家との間に大きな情報格差があることを感じたことが原点。中立的な立場での企業分析を掲げているQBRに入社後は、冷静な視点を心がけ、過激な表現を用いないよう注意し、公正で偏りのない投資情報の作成に努めている。


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