QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2020/04/13)
・1Q業績は概ね会社計画線だが2Q以降は減速懸念
20/11期1Qは前年同期比8%減収、営業利益は同33%減の23億円。主要製品の売上高が減少し、操業度が低下した影響が大きかった。会社の期初公表の20/11期通期計画(営業利益125億円:前期比6%減)の変更はない。企業価値研究所は会社計画と同額を見込んでいた前回予想を減額、営業利益を125億円→100億円に引き下げる。1Q業績は弱めだったが、概ね会社計画の範囲内だった。ただ、2Q以降は新型コロナウイルスで自動車生産が減る影響が大きく出る見通し。ロボットの底堅い推移やコストダウンなどが見込まれるが、業績は減速する見通しで、会社計画の達成は厳しくなったとみる。
・回復を見込む来・再来期の予想は据え置く
業績回復を見込んでいた当研究所の21/11期、22/11期の予想は据え置く。力強い回復を織り込んでいないこと、新型コロナによる需要減少の反動が一定程度期待されること等を考慮した。引き続きロボットの売上規模拡大等を見込む。会社は20/11期中にも中期計画を策定する方針だが、中期目標の目線は前回目標として掲げていた水準(営業利益270億円)から下がる可能性が高い。
・リスクファクター ~新型コロナ、為替等
・アナリストの投資判断 ~現状の株価水準はやや割安感あるが概ね妥当とみる
株価は年初から大きく下落し、現状の当研究所の20/11期予想PERは11倍程度。製造業や機械セクターの平均に比べ低く、同社の過去3年平均(13倍程度)も下回る。ただ、今期は減益が見込まれており、新型コロナによる自動車減産の影響などを受け利益に下振れリスクがあることも踏まえると、現状の株価水準は概ね妥当とみる。上値を試す余地が出てくるのは、来期業績の回復が見えてくる今期後半の段階を予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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