QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2020/04/24)
・20/11期1Qは厳しめの出足。2Q以降業績悪化懸念
20/11期1Qは前年同期比9%減収、営業利益は同32%減の35億円。欧米は比較的堅調だったが、日本やアジアの売上高が低調。会社計画に対しても厳しめの出足となった。会社側は新型コロナウイルスの影響が不明として、通期計画(営業利益で前期比5%減の185億円)を取り下げた。企業価値研究所は20/11期通期予想を減額(営業利益185億円→130億円)。中国は生産が概ね正常化し、今後の回復に期待が持てるが、2Q以降新型コロナの日米欧での悪影響、自動車・航空機産業の減産の影響などが懸念される。業績水準の低下が避けられないとみる。
・来期以降は業績回復を見込むが回復は緩やかに
当研究所の21/11期、22/11期の業績予想も減額。経済活動は徐々に正常化に向かうとみており、需要低迷の反動もあり業績は上向くと予想。ただ、自動車・航空機産業の停滞などの影響は残るとみており、回復は緩やかになるとみる。会社が掲げていた中期目標(20/11期営業利益300億円)への到達は厳しくなった印象。株主還元は配当性向30%以上を目途に実施。20/11期会社計画は今回未定とされたが、減配となる可能性が高いとみる。
・リスクファクター ~新型コロナ、為替等
・アナリストの投資判断 ~株価指標は低いが当面の上値余地は限定的とみる
現状の当研究所の20/11期予想PERは14倍台。製造業や機械セクターの平均、同社の過去3年平均(16倍程度)より低い。PBRも1倍割れと低水準にとどまる。同社の安定した財務や収益力を踏まえると、中長期でみれば上値余地のある株価水準とみる。ただ、当面は新型コロナの影響で自動車や航空機産業の停滞が見込まれ、同社業績も厳しい推移が見込まれることから、上値を追う余地は限定的だろう。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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