QUICK企業価値研究所アナリスト 豊田博幸(2020/05/01)
・新型コロナ響き、今21/3期は35%営業減益を予想
主力の部品事業の受注高が6四半期ぶりに増加したが、世界的な自動車生産の低下による自動車向けの低迷、産業機器向けの減少などに加え、新型コロナウイルス感染の拡大の影響などから、今後の業績は厳しい展開となりそうだ。企業価値研究所による21/3期の連結業績予想を、売上高が1兆6740億円→1兆4800億円(前期比7%減)、営業利益が1200億円→650億円(同35%減)に減額する。21/3期通期の為替前提は1ドル=108円は変わらないが、1ユーロ=122円→118円と、円高に見直した。
・20/3期通期は6%営業増益
20/3期通期の連結業績は、売上高が前期比1.5%減の1兆5991億円。設備投資関連向けの減速や、新型コロナウイルスの感染拡大による複合機の落ち込みなどが響いた。利益面では子会社のAVXに関する訴訟費用や、新型コロナウイルスの感染拡大による影響があったものの、19/3期に計上した一時費用が無くなったことや、携帯電話端末の採算改善などが寄与し、営業利益は同5.7%増の1002億円となった。
・リスクファクター ~携帯電話端末の事業動向
・アナリストの投資判断 ~株価は市場平均並みの推移を予想
5G(第5世代移動通信システム)関連向けの需要拡大という追い風があるものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、今21/3期は減収減益を見込む。新型コロナウイルス感染の影響が小さくなるとみられる、当研究所による22/3期および23/3期の予想平均PERは、過去5年間の予想平均PER(22倍)に比べ、やや割安の水準にあるものの、収益性の改善がやや緩慢であることが響き、今後の株価は市場平均並みの推移を予想する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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