QUICK企業価値研究所アナリスト 山藤秀明(2020/05/11)
・会社側は今期業績予想を見送り
20/3期の営業利益は前期比16%減の8547億円。昨年6月に開始した実質値下げの新料金プランの影響が強かった。会社は今21/3期の業績予想について、新型コロナウイルスの影響が不透明として公表を見送った。
企業価値研究所は今21/3期の営業利益について、前期比2%増の8740億円を予想する。今期も新料金プランへの契約シフトが進み減益要因になるが、光通信サービスの契約増加、非通信事業の成長、そして費用削減などで増益見込み。
来22/3期の営業利は前期比4%増の9050億円を予想。新料金プランの減益要因が軽減する一方で、光通信サービス収入の増収、非通信事業の成長で増益見込み。今春より5G(第5世代移動通信)サービスを開始したが、当面は業績への影響は大きくないとみている。
・楽天が戦略的な料金プランで本格参入
今春、楽天(4755)が戦略的な料金プランで移動通信事業に本格参入した。現時点で対抗的な料金値下げは公表していないが、今後の動向を注視したい。
・リスクファクター ~料金競争激化、他社攻勢
・アナリストの投資判断 ~業績予想見送り、配当横ばい計画で株価の上値重い展開か
今年の株価は株式相場が急落した2月後半以降も堅調に推移してきた。同業他社の株価と比べても強い動き。新型コロナウイルス感染拡大の影響が相対的に小さい業種であること、そして同業他社に比べて配当や自己株式取得による株主還元に積極的なことが評価されているようだ。当研究所では「当面の株価は現値水準で推移する」とみている。会社側が新型コロナウイルスの影響が不透明として今期業績予想の公表を見送ったこと、同じく配当計画を前期見込みと同額としたことが株価の上値を抑えそうだ。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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