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ライオン(4912) 衛生関連製品の需要が急増、今期の事業利益は2桁増に

QUICK企業価値研究所アナリスト 伊藤健悟(2020/05/13)

・ハンドソープなどの出荷が大幅に拡大
 20/12期の連結業績について企業価値研究所では、従来予想を売上高3500億円(変更なし、前期比1%増)、事業利益310億円→345億円(同15%増)へ修正する。この期は従来、オーラルケア分野を中心に高付加価値製品が伸びるほか、新型コロナウイルスの影響で衛生関連製品の販売が増加するものの、インバウンド消費が落ち込み、連結全体で若干の増益にとどまるとみていた。しかし、新型コロナの影響でハンドソープなどの出荷が想定以上に大幅に拡大。一方で海外部門などが落ち込んでいるため、売上高は前回予想を据え置いたが、好採算の一般用消費財部門の伸びで事業利益は予想を大きく引き上げた。翌21/12期以降も、高付加価値製品の数量増やインバウンド消費の回復で事業利益は着実な伸びが続くと予想する。

・1Qの一般用消費財部門は事業利益が倍増
 20/12期1Qの連結事業利益は、前年同期比64%増の91億円となった。ビューティケア分野の好調などで一般用消費財部門の事業利益が倍増。海外部門の苦戦をカバーして連結全体で業績を大きく拡大した。

・リスクファクター ~新型コロナの影響長期化など

・アナリストの投資判断 ~上値余地が大きく、株価は引き続き堅調に推移へ
 新型コロナウイルス流行の影響で同社の株価も一時、2000円強の水準から1700円台まで下落したが、その後は衛生関連製品の需要増などを追い風として上昇。足元では新型コロナ流行前の水準を上回る。直近では土地譲渡益の影響がなくなる来期の当研究所予想連結PERで27倍と、トイレタリーメーカーの平均や過去の同社の平均的な水準を下回り、割安感がある。ハンドソープなどの需要は当面増加が続く見通しで、株価も過去の平均的な水準である同32倍程度までの上値余地があり、引き続き堅調に推移すると予想する。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

伊藤 健悟

シニアアナリスト

化学・繊維セクター担当


【プロフィール】
大阪大学経済学部卒業。山一證券入社、メリルリンチ日本証券を経て、現在に至る。
山一證券在籍時は個人向け営業に従事。マクロ、ミクロの両面からの事業環境・経営状況の分析に加え、その際に培った個人投資家の視点も重視しつつ、レポートの作成や講演などを行うことを心がける。


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