QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2020/05/15)
・今期は2期連続の大幅減収減益の見通し
20/3期業績は前期比19%減収、営業利益は同46%減の150億円。米中貿易摩擦や新型コロナウイルスの影響で受注が減速し、売上高が減少。大幅減益となった。会社側は21/3期業績計画を上期のみ公表。売上高を前年同期比35%減の580億円、営業利益を同95%減の5億円とした。企業価値研究所は21/3期通期の連結業績を、売上高1300億円(前期比24%減)、営業利益50億円(同67%減)と予想。受注減速や新型コロナの影響を踏まえると、減収は避けられない見通し。コスト削減を強化する方針とみられるが、利益も大幅減を見込む。
・来期以降は業績回復見込むが緩やかな回復を想定
当研究所では、受注は21/3期後半からの回復を想定。業績は22/3期から回復を見込む。自動化・省人化関連の機械、半導体製造装置関連の機械等が底堅いとみる。ただ、新型コロナの影響による自動車や航空機産業の停滞等もあり、回復は緩やかになるとみる。財務は良好だが、厳しい環境を踏まえ21/3期は減配の可能性がある。
・リスクファクター ~新型コロナ、為替等
・アナリストの投資判断 ~現状の株価水準は概ね妥当とみる
株価は3月に大きく下げたが、直近では反発。現状の実績PBRは0.8倍台で、同社の過去3年平均(1.2倍程度)を下回る低水準。ただ、当研究所の予想PERは21/3期ベースで30倍台後半、22/3期ベースでも20倍程度と高め。厳しい業績見通しや新型コロナによる業績下振れリスク等も踏まえると、現状の株価水準は概ね妥当で、当面の上値余地は限定的とみる。上値余地が出てくるのは、業績回復が見えてくる今期後半の段階を想定する。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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