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アドバンテスト(6857) 新型コロナのリスクを考慮し、業績予想を下方修正

QUICK企業価値研究所アナリスト 谷林正行(2020/05/18)

・今期はわずかな営業増益へ
 企業価値研究所は21/3期の連結予想営業利益を700億円→600億円(前期比2%増)へ下方修正した。新型コロナウイルスがスマートフォンなどコンシューマ製品へ及ぼす影響が考えられるため慎重にみた。買収などにより育成中のシステムレベル・テスト(電子機器システム、モジュールなどのテスト)の成長見通しに変わりはない。新型コロナウイルスが収束することを前提に、来期以降は比較的高い営業増益率を想定している。

・具体的な影響は未確認だがメモリ市況などを警戒
 同社を含め、日本の半導体製造装置メーカーの多くは現時点で具体的な新型コロナウイルスの影響を確認していない模様。ただ直近はDRAM価格下落などがみられており、当研究所ではこれを警戒した。

・一過性の損益により20/3期は営業9%減益
 20/3期の連結営業利益は587億円(前期比9%減)だった。19/3期に計上した一過性の利益一巡、買収費用などにより連結全体では前年同期を下回った。

・リスクファクター ~半導体メーカーの業況、需要変動が大きいことなど

・アナリストの投資判断 ~米中対立がリスクだが当面は株式相場全体の値動きを上回るパフォーマンスを想定
 当研究所では今後の株価について、株式相場全体の値動きに不透明感があるものの、相対的にはこれを上回るパフォーマンスを想定している。半導体関連企業は5G(第5世代移動通信)などによる成長が想定され、テレワーク拡大など新型コロナウイルスが追い風となっている部分もある。さらに同社は新規事業のシステムレベル・テストの成長も見込まれる。米中対立はリスクだがこれらポジティブな面が注目されると考える。

 

(提供:QUICK企業価値研究所)
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著者名

谷林 正行

シニアアナリスト

民生エレクトロニクス、精密機器、総合重機セクター担当


【プロフィール】
東京大学工学部反応化学科卒、山一証券経済研究所入社、ベンチャーキャピタル、格付機関、IRコンサルティング会社を経て現在に至る。
新技術、テーマを中心としたレポート作成やベンチャー企業の将来性の判断、財務面を中心とした企業分析など、過去に携わった業務経験を活かし、様々な視点から対象企業を分析することを心掛けている。


日本証券アナリスト協会検定会員

日本証券アナリスト協会 ディスクロージャー研究会 電気・精密機器、機械専門部会 評価実施アナリスト


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