QUICK企業価値研究所アナリスト 柊宏二(2020/06/15)
・前期終盤に新型コロナで失速。今期は減収減益予想
20/3期は前期比微増収、営業利益は同18%減の640億円。会社計画は達成したが、企業価値研究所予想は下回った。4Qに新型コロナウイルスの影響で販売が減速、中国工場の操業停止もあり失速した。対前期比では、国内や欧州が増収だったが、アジア等で減収。円高や関税影響、販管費増が減益要因となった。会社は21/3期計画を未定とした。企業価値研究所は21/3期業績を前期比6%減収、営業利益を同13%減の560億円と予想。新型コロナの販売面への悪影響を想定。特にプロ向け高単価電動工具の需要減少の影響が大きいとみる。巣ごもり消費の園芸用機器等の需要増は下支えとなろう。
・園芸用機器の拡販等で来期以降は業績回復を予想
当研究所は新型コロナの負の影響を一定程度織り込んだが、経済活動の回復を背景に22/3期以降業績は回復を予想。ラインナップ拡充によるリチウムイオンバッテリ製品群の成長、巣ごもり消費増加による園芸用機器の拡大等を見込む。園芸用機器拡販の費用増も織り込んだ。財務健全性は高い。21/3期は減配の可能性あるが、22/3期以降の配当は再び増加を見込む。
・リスクファクター ~新型コロナ、為替、貿易摩擦など
・アナリストの投資判断 ~業績見通し踏まえると概ね妥当な水準。一定の上値余地も
現状の当研究所の21/3期予想PERは27倍程度。同社の過去3年平均(23倍程度)を上回る。ただ、22/3期予想PERは23倍程度まで下がる。新型コロナの影響が薄まり巡航速度に近付く来期業績の見通しを踏まえると、現状の株価は概ね正当化される妥当な水準といえる。園芸用機器の中長期的な拡大期待なども考慮すれば、一定の上値を試す余地もあるとみる。
(提供:QUICK企業価値研究所)
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